2012年6月15日

6月15日のブログ

今年も615日がやってきました。と言ってピンと来る人は年配の方が大半と思われます。

1960615日の6.15です。。雑誌『情況』の吉本隆明追悼号の出版もわざわざこの日を選ぶというこだわりがみられます(なお、吉本隆明はこの日、国会内の集会で学生の前で演説し、その後機動隊に追われて逃げる途中行き詰まって塀を乗り越えたら警視庁の土地で留置所に拘留されました)

日米安保反対闘争で国会内に突入した全学連と機動隊の衝突で当時東大4年生の女子学生樺美智子さんが亡くなりました。これを機に国内が騒然としました。私も1学生としてデモの後ろについていて、帰宅後事件を知らされたのでした。

この事件を、一部の人は大勢の人が参加したから、勝利であり、わが国の民主仕儀の前進だといわれました。他方、学生側は、日米安保条約が国会で自然成立したから敗北であり、壮烈なムダだったと挫折感にとらわれました。

しかし、この時代は意思表示できる場があり、参加と変革の高揚感は確かにあったように思われます。少なくとも未来へ向かおうという意気込みがありました。

 現在、この1960年代に対する関心が高まっているのは、現代の閉塞感の裏返しでしょうか。現に、ノルベルト・フライの「1968年ー反乱のグローバリズム」(みすず書房)佐藤誠の「60年代のリアル」(ミネルヴァ書房)が評判になっています。いずれも、当時を知る人にとってはナツメロ的な面がありますが、経験のない人には新鮮な運動があったと映るのでしょう。

当時と今とを比べてみると、社会が豊かになり切実なふへい・不満が無くなり、現状を少しでも変える動きに価値を見出せなくなったのでしょうか。

今でも原発問題、格差問題、支配と支配される関係と種々な問題はりますが、あまり盛り上がらないのは、寂しい限りです。

私たちは、大きな物語にもできる限り関心持つように努めること、勇気をもって真理を求め、語る姿勢を持つことが大切と思われます。

いずれにせよ、このような問題は、これからを担う若い世代に期待したいものです。

 

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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