2016年10月 3日

9月のブログ ー ヒラリークリントンとトランプ

     9月のブログ ー ヒラリークリントンとトランプ

今月は、米国大統領選挙まで100日を切ることになった両候補ヒラリークリントンとトランプについて述べます。

第1回目のテレビ討論が行われ、結果はヒラリーが優勢とみる意見が62%、トランプ優勢説が27%でヒラリーが勝ったと言えるでしょう。最新の世論調査では、トランプが追い上げヒラリーとの差は数%との接戦と言われています。両候補は、史上最悪の2人、不人気の2人と言われています。

トランプの言動から判断する限り、米国大統領になって欲しくないと思います。このような人が共和党の予備選挙を勝ち抜いてきたとは信じられないのですが、事実なのです。共和党が内部分裂を起こして、伝統的な保守共和を代表する人も、党の候補者にお選出されないほど共和党の構成メンバーの考え方が変わってしまったのでしょうか。

共和党のトランプ候補の「トランプ旋風」を見てみましょう。「メキシコ国境との間に壁を作る「イスラム教徒は当分の間、入国禁止とする」「女性キャスターに対する性差別的な発言」等の暴言を繰り返してきました。これらは、判断力の低い、メディアリテラシー、手持ちの情報の少ない有権者向けのポーズとも言われていますが、この言動に駆り立てているのは、「都市の賃金労働者によるミドルクラス崩壊への怒り」だといわれています。トランプの支持層は賃金労働者という点で自営業のオーナーが主体である「ティパーティ」と違っています。彼等は「再分配を掲げていない」点で民主党の左派であるバーニー・サンダースとも一線を画しています。トランプの支持者は、高校卒までの白人男性が中心でこの層は、自分たちはアメリカ社会で誰からも全く顧みられないと感じ、未来に関して1番ペッシミスティックな層です。

一方のヒラリーは。オバマ大統領の政策を基本的に継承して、今度こそ史上初の女性大統領が実現するのではないか、少なくとも予備選世では圧勝するのではないかと思われていました。しかし、いくつかの問題が発生しました。1つは、2012年9月にリビア起きた大使以下の米外交官が殺害された2012年アメリカ在外公館襲撃事件ベンガジ事件の真相を隠しているのではないかという批判が共和党から出され続けてきている点です。もう1点はインパクトとしてははるかに大きく、国務長官として個人のメールサーバーを使って機密情報を扱っていたのではという疑惑です。この問題は、大統領選挙が予備選挙から本選挙へ移るのと並行して本人に対するFBIの操作が続くという事態になりました。最終的には、2016年7月に司法省とその傘下のFBIが不起訴を決定しましたが、この判断も批判を浴びることになりました。さらに、夫ビルクリントンの不倫事件に関しても蒸し返す動きがあり、妻として許したという姿勢に対して、実際は仮面夫婦なのに世間を欺いているという疑惑があり、懸念材料は少なくありません。こうした材料が積み重なる中で信用できない人物という印象が定着しました。大統領を狙うからには、この正直でないという点を払拭してもらいたいものです。

 米国政治は、正義と理想が基本精神であったはずです。両候補にこれらを欠くのは残念ですが、大統領となれば良くなることを期待したいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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