2017年4月 9日

2017:3月のブログ ― 桜について

        3月のブログ ― 桜について

 

今月は3月、節目の月であり、冬も終わり春となります。3月は入学式、卒業式、就職、転勤と人生の転機となる出来事が目白押しです。特に目立つのは、卒業式に臨む女子大生の袴の華やかさです。和服を着ると、どの人も大人しく、しとやかに見えるから不思議です。その晴れ姿を見ていると、他人ながら、どうぞ卒業後も幸せになってくださいと祈りたくなります。また、この時期、大学の入試結果も発表され、悲喜交々ですが、勝者と敗者が明確になります、桜咲くという合格通知、桜散るという不合格通知です。喜びに沸く人、悲しみに暮れる人と様々です、いずれも、長い人生の一コマと考えれば多少の割り切りをして4月からの新しいスタートで気持ちを切り替え、更なる前進と捲土重来することが必要でしょう。

春を代表する花である、桜を取り上げます。桜は、春の代名詞であり、日本の花を代表し、古くから愛されてきました。奈良時代までは、梅が春の代表でした。菅原道真が遣唐使を廃して、日本が大陸の天平文化から、徐々に国風文化が盛んになってくると「花」といえば「桜」になってきました。

では、桜の花の魅力はどこにあるのでしょうか、一般には「花が寒い冬の後に咲くこと」、「その

姿がきらびやかであること」「希少であること」、「命が短いこと」、「はかない色であること」、「ぱっと散るその姿にある」と言われています。日本において春は神様が植物に新たな命を授けるとき。その神様が里に下りてきて、厳しい冬を追いやり、暖かい太陽を連れてきます。その神様がいる場所が「桜」であり、その神様のいる植物の美しさが「桜の花」になるということです。しかし、そのような知識がなくても、満開の桜の花を見てきれいだ、美しいと思えばいいのでしょう。

桜を詠んだ名句や文章が多数ありますが、代表的なものとして下記が挙げられます。

本折宣長「敷島の大和心を人問はば朝日に匂う山桜花」と日本人の精神の基調を述べています。

西行法師「ねがわくは花のもとにて春死なむその如月の望月のころ」等と詠い歌の通り入寂しました。在原業平「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」と日本人の心を最も上手く表しました。

 桜は、開花のみでなく散り際の儚さや潔さもその魅力に数えられてきました。古くより桜は、諸行無常という感覚に例えられ、ぱっと咲き、さっと散る姿ははかない人生に例えられてきました。そこから「武士道」と桜が結びつき武士の世界の中で、桜の花のように生きる生き方が最も美しいとされたたことがあります。しかし、これは特攻隊の特攻精神等、日本人に負の遺産となったこともありました。桜が散るように潔く散るのは結構なことかもしれません。しかし、ますます複雑多様化するこの頃、グローバリゼーションの中、しぶとく戦い、勝ち抜くには、潔さだけでは勝てません。不格好ではあるが最後に勝つという姿勢もこれからは要求されます。

森島 中小企業 ISO支援オフィス


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