2015年2月13日

1月のブログ ー イスラム国について

       1月のブログーイスラム国について

イスラム国とは、昨年6月に、突如、カリフ制イスラム国家の設立を宣言し、世界各国に不安と恐怖に陥れていました。今年になって、パリの新聞社襲撃事件、日本の人質2名殺害事件、ヨルダンの捕虜の飛行士の殺害事件等により世界を震撼させています。

イスラム国は、その実態は謎に包まれていましたが、徐々にその全貌を表しつつあります。シリア、イラクにまたがる人口800万人を擁する英国並みの広さの国としてその国家機能を整備しつつあり、戦闘員は3万人~3万5千人で従来の単なる過激派組織ではありません。  

イスラム国では人頭税を払えば異教徒でも居住が認められます。国家建設の中心は、イラクのサダム大統領の殺害後、その国を追われた旧バース党員、旧軍人であり、実務の経験に裏付けられています。資金源も豊富で、製油所からの収入、身代金、湾岸諸国からの寄付金等であり、1時は1日2百万ドルを誇ったが、最近は石油価格の急速な下落により、週数百万ドルに激減しています。

 イスラム国は、恐怖の統治であると言われますが、その下に800万人もの人数抱えるということは容易なことではないはずです。シリア、イラクの戦闘を伴う混乱よりは恐怖でも安定を求めるためなのかもしれません。現地住民は、イスラム国の効率的で極めて現実的な統治能力を評価し、反対派の活動家達もイスラム国がわずか1年足らずで近代的な国家構造を作り上げたことに感心していると言われます。しかし、最近では医者,専門技術者、戦闘員の国外脱出が続いていると言われ、国家崩壊の兆しといえるのかもしれません。

 同じ過激派であり,元は同盟関係にあったが今は敵対しているアルカイダとの違いはどこにあるかといえば、アルカイダは米国、英国を初め西欧に敵対しグローバルな攻撃(ジハード)を目指すのに対し、イスラム国は、理想郷という幻想を振りまき世界の若者を惹きつけ、シーア派の殲滅がなければイスラム革命が実現しないと内ゲバを指向すると共に昨年9月に一匹狼によるジハードを呼びかけています。この多面化した的に対応するのは容易なことではありません。

       1月のブログーイスラム国について

イスラム国とは、昨年6月に、突如、カリフ制イスラム国家の設立を宣言し、世界各国に不安と恐怖に陥れていました。今年になって、パリの新聞社襲撃事件、日本の人質2名殺害事件、ヨルダンの捕虜の飛行士の殺害事件等により世界を震撼させています。

イスラム国は、その実態は謎に包まれていましたが、徐々にその全貌を表しつつあります。シリア、イラクにまたがる人口800万人を擁する英国並みの広さの国としてその国家機能を整備しつつあり、戦闘員は3万人~3万5千人で従来の単なる過激派組織ではありません。  

イスラム国では人頭税を払えば異教徒でも居住が認められます。国家建設の中心は、イラクのサダム大統領の殺害後、その国を追われた旧バース党員、旧軍人であり、実務の経験に裏付けられています。資金源も豊富で、製油所からの収入、身代金、湾岸諸国からの寄付金等であり、1時は1日2百万ドルを誇ったが、最近は石油価格の急速な下落により、週数百万ドルに激減しています。

 イスラム国は、恐怖の統治であると言われますが、その下に800万人もの人数抱えるということは容易なことではないはずです。シリア、イラクの戦闘を伴う混乱よりは恐怖でも安定を求めるためなのかもしれません。現地住民は、イスラム国の効率的で極めて現実的な統治能力を評価し、反対派の活動家達もイスラム国がわずか1年足らずで近代的な国家構造を作り上げたことに感心していると言われます。しかし、最近では医者,専門技術者、戦闘員の国外脱出が続いていると言われ、国家崩壊の兆しといえるのかもしれません。

 同じ過激派であり,元は同盟関係にあったが今は敵対しているアルカイダとの違いはどこにあるかといえば、アルカイダは米国、英国を初め西欧に敵対しグローバルな攻撃(ジハード)を目指すのに対し、イスラム国は、理想郷という幻想を振りまき世界の若者を惹きつけ、シーア派の殲滅がなければイスラム革命が実現しないと内ゲバを指向すると共に昨年9月に一匹狼によるジハードを呼びかけています。この多面化した的に対応するのは容易なことではありません。

昨年まで破竹の勢いのイスラム国も最近の戦闘で敗北を喫しその勢いに陰りも見られます。現にイスラム国内でもイスラム原理主義を目指す者とラフィージハード主義者との内部対立を深めつつあるといわれ、この対立ではより過激な原理主義的な方が勝利することは歴史が証明していますから,より過激な方向へ向かうことが予想されます。

今後の予想と対応はどうすべきでしょうか。米国を中心とした欧米諸国がアルカイダ、サダム政権の例のように都合のいい時だけ利用して、用が済めば諸悪の根源として切り捨てるやり方は問題解決にはならないでしょう。米国の専門家の意見では、イスラム国を破壊するには数年かかると予想しています。イスラム国の劣悪な凶暴性を断固排除するため、世界各国が宗教、民族を超えて協力して、暴力の排除を目指し、イスラム国を孤立させ、消滅させるべきです。人、物、金の提供という流れを断つため、資源の供給先となっている西欧諸国が、真剣に自国からの流出防止に努めることも必要となります。各国が自国の若者に、イスラム国の理想郷の設立という訴えに惑わされないようにその国として未来の方向性と夢について訴える努力をすべきでしょう。それなくしては、青年の高い失業率の状態では第2のイスラム国の出現が起こり得ると考えられます。

日本も日本人拘束事件の対応でイスラム国の敵対者として位置づけられ、政治家、国民とも標的となる覚悟が求められている事を忘れるわけにはいきません。当面は、イスラム国の動きに目を離せません。昨年まで破竹の勢いのイスラム国も最近の戦闘で敗北を喫しその勢いに陰りも見られます。現にイスラム国内でもイスラム原理主義を目指す者とラフィージハード主義者との内部対立を深めつつあるといわれ、この対立ではより過激な原理主義的な方が勝利することは歴史が証明していますから,より過激な方向へ向かうことが予想されます。

今後の予想と対応はどうすべきでしょうか。米国を中心とした欧米諸国がアルカイダ、サダム政権の例のように都合のいい時だけ利用して、用が済めば諸悪の根源として切り捨てるやり方は問題解決にはならないでしょう。米国の専門家の意見では、イスラム国を破壊するには数年かかると予想しています。イスラム国の劣悪な凶暴性を断固排除するため、世界各国が宗教、民族を超えて協力して、暴力の排除を目指し、イスラム国を孤立させ、消滅させるべきです。人、物、金の提供という流れを断つため、資源の供給先となっている西欧諸国が、真剣に自国からの流出防止に努めることも必要となります。各国が自国の若者に、イスラム国の理想郷の設立という訴えに惑わされないようにその国として未来の方向性と夢について訴える努力をすべきでしょう。それなくしては、青年の高い失業率の状態では第2のイスラム国の出現が起こり得ると考えられます。

日本も日本人拘束事件の対応でイスラム国の敵対者として位置づけられ、政治家、国民とも標的となる覚悟が求められている事を忘れるわけにはいきません。当面は、イスラム国の動きに目を離せません。

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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