2017年1月 4日

2016年12月のブログ ー 本年の三大ニュース

    2016年12月のブログ ー 本年の三大ニュース

 

年末に当たり、本年の三大ニュースを取り上げます。

今年も、災害、テロ、ノーベル賞受賞等いろいろありましたが、私の選んだ三大出来事は、1. 英国のEU離脱[Brexit: Britain(イギリス)のExit(離脱)を合わせた造語]の国民投票の結果、2. トランプの米大統領選挙の当選及び3. 天皇陛下の退位のご希望です。

1.英国のEU離脱 

 まさかの投票結果で、EU残留にNOが突きつけられました。自らの政権基盤強化を狙ったキャメロン首相は、敗北の責任を取るということで無責任に辞任しました。後付けで考えれば、この投票結果がその後の欧米のポピュリズム運動の出発点をなすものでした。

 反移民、反イスラム、反グローバリズム、反エスタブリシュメントが投票において争点となり、これらの反を掲げるポピュリズムが勝利を収めました。これらは、自己の利害優先で弱者、異質者を排除するのを厭わない自己中心的なものです。

 国民の意思としてEU離脱を決め、2年以内にEUと離脱の交渉を詰めなければなりません。英国は、離脱してもEU在籍時と同じ特権を保持したいと願うでしょうが、EU側は、今後の見せしめのためにも厳しい措置を要求する結果、激しい議論と、厳しい交渉が行われるでしょう。今の予想では、英国、EU双方に取りマイナス点のほうが多いように思われます。また、ソ連がこの対立に付け込み、その勢力拡大を図っていて不安定要因をもたらし、力のバランスが崩れようとしています。

 新年は、ポピュリズムであっても極右の台頭を許さない状態であって欲しい、その間に移民政策、イスラム対策を明示してマイノリティも居住地で摩擦少なく安心して暮らせる措置の確立の為に努力してもらいたいものです。人類の理性と進歩への理念及びその英知に期待を寄せたいと思います。

 

2.トランプの大統領選出

 トランプのヒラリーへの勝利は正に青天の霹靂で信じられないものでした。誰もが選ばれると予想していたヒラリークリントンが選ばれませんでした。彼女は、ギャラップ調査の尊敬する女性で今年も1位に選ばれ15年連続一位の記録となりました(男性はオバマ大統領が9回選ばれました)。こんな素晴らしい人が大統領に選ばれることなく、傍若無人なトランプが選ばれたのは女性であるがためのガラスの天井があったのでしょう。女性が大統領に選ばれるのはもう少し先ではなく、気の遠くなるような時間がかかると思わざるを得ません。ヒラリーには、理想とチェンジの方策、既存の政治で見捨てられていた大衆への配慮を欠いた結果が敗因なのでしょう。

 トランプが大統領になることによって、移民、外国人、イスラム教徒、女性等マイノリティに対する差別と圧迫が増大すると予測されています。外国に対しても門を閉ざして自国第1の差別政策をとることでしょう。この面では、自由、平等、民主主義が後退する恐れがあります。しかし、いずれこのゆり戻しが来て、逆の良い方向に揺れることになると考えられ、その時期は、早いか遅いか予測がつきません。アメリカ国民が、正しい方向を選択してトランプにノーを突きつけ、できれば早期退場を促すことになることを願いたいものです。

 来年は、世界的な極右傾向は続き、反グローバリズム、反移民の波は強まります。トランプには、予備選中の発言通りに、反ウオールストリートで反エリートの主張を実行し資本家の巨大利得制限、高額所得者への増税、低諸島者への減税と反エリートで既成権力への制限を期待したいのですが、自身が高所得者で企業家であるため強固な体制側に取り込まれることは目に見ええています。数年足らずで、何も変わらなかったということがないよう、トランプの戦闘性、革命性に期待したいものです。

 

3.天皇の退位の意向

 天皇が公務の多忙に適切に対応できない懸念のため、退位を希望されるという発表がありました。自らこのような意向を表明されたことに驚かされました。私は、天皇制に特に関心はないのですが、今の天皇は、震災の被災者への配慮、戦争敗戦の責任、戦士者への追悼の念、政治の動向に対するリベラルな考え方を示され、時の内閣等の政治家の形式的対応とは際立った違いを示されてきました。

このような天皇の言動は立派なことだと敬服させられてきました。

天皇は多忙すぎる公務に極めて真面目に対応されるため、疲労が蓄積されるのでしょうが、それにも拘らず公務を優先して遂行されるのは大変な心労でしょう。家庭内の問題も庶民同様あるかに伺えるのでその心労も波大抵なことではないでしょう。そのような場合、休息が得られるようにしてあげられることが何よりです。電通で女性職員が過労を苦に自殺しました。この様にしなければ救われないということがあってはならないと思います。制度は人が作るものであり、変えられるものです。現行の法律、皇室典範等がどうなっているかよく分かりませんが、一人の人を救うために知恵を集めれば解決策はない訳はありません。天皇の権威、天皇の伝統を云々の議論は日本の歴史の中で天皇制の歴史を考えれば問題にならないことであると思われます。

 1日も早く楽にして頂き、余生を静穏に過ごされるようにして差し上げることが国民としての最大の勤めと思われます。

 

2017年1月 1日

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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