2018年7月11日

 6月のブログー米朝会談の成果にについて

       6月のブログー米朝会談の成果にについて


今月は、6月に行われた米朝首脳会談の成果について述べてみたいと思います。

鳴り物入りの米朝首脳会談の成果を米国、北朝鮮、日本への影響等で見ていきます。海外の評価は、概ね北朝鮮の勝ちで米国のトランプ大統領は北朝鮮に譲歩しすぎたという論調が多方です。米国は北朝鮮から核兵器廃棄の具体策を確約すること無く非核化に合意し、体制保証を行ったのは、トランプの焦りが招いた結果と思われます。今回の合意の内容は、北朝鮮がことごとく破ってきた過去の約束よりはるかに中身の薄い合意となっています。94年の米朝枠組み、05年の6カ国の共同声明では、北朝鮮はすべての核兵器を放棄するとしたのに対し、今回の合意は非核化に努力するとだけしか触れられていません。

1.北朝鮮 金正恩の一人勝ちとされる理由

 ・米国と対等の立場で会談し、世界及び国内に示すことができました。

 ・自らの体制保証を約束させました。 

 ・米韓の合同軍事演習の中止の合意を得ました。

 ・最大限の圧力をかけ続ける米国の政策を無効にする道が開けました。

金正恩は(トランプの言う)核兵器のマッドマンではなく有能な交渉人であることを示しました。

2.米国

・歴代大統領ができなかった北朝鮮と首脳会談を行いました。多少なりとも米朝緊張緩和に寄与したと言えます。

・具体策はないが核兵器の段階的削減は約束されました。

具体的ステップなしで核兵器の段階的削減に効力はあるのかという問題がありますが、トランプにとって秋の中間選挙を控え、米国本土への北朝鮮の攻撃の危険を多少緩和したと言って外交の勝利を宣伝することになるのかもしれません。

今回の会談での最大の問題点は、米韓軍事演習の中止に同意したことです。これは軍事力維持のために最低限必要な処置をとりやめるという意味で、東南アジアの米国の庇護下にあった国々には脅威が高まります。これは、他国からの米国の信用を失墜させるもので大きなマイナス点といえます。トランプ大統領は就任以来、西欧同盟諸国に大きな次の問題を引き起こしていましたが、これに新たな懸念材料の追加となりました。

3.中国

・米韓合同演習の中止で自国への軍事的脅威が減少しました。

・北朝鮮の核開発に一応の歯止めがかかることになり、懸念材料が一段落しました。

・関係が疎遠になっていた北朝鮮との間がまた元に戻すことができました。

中国はなにもせずにタナボタ式に3つのポイントで北朝鮮に次ぐ勝ち組となりました。

4.日本

 日本は米朝会談には全く蚊帳の外にあり、辛うじて拉致問題がとりあげられたようですが、何ら進展の様子が見えません。北朝鮮との首脳会談を模索しているようですが、これでは金正恩に最初から足元を見られており、日本の譲歩を前提となりそうです。

 

今回の米朝会談でトランプの外交政策は外交専門部門とのすり合わせでことを決定することなく、思い付きで事を決定しているようにも見受けられましたが、成果として、朝鮮半島での軍事衝突の危険が少し緩和されたこと、及び首脳が直接

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