2013年6月 2日

5月のブログーハルキーフィーバーについて

     5月のブログー「ハルキ・フィーバー」について

村上春樹の新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が発売されて発売後40日で105万部の大ベストセラーとなり、各誌紙でハルキ・フィーバーとして取り上げられています。

 熱心な読者でない私もフィーバーには関心があり、その論には注目しています。

文芸書が売れない今日、何故村上春樹だけがと思われます。小説そのものも興味があるが、流行するから読むという傾向もあるといえるでしょうが、それを実現するのも実力の一つといえるでしょう。

 日本のみならず、全世界で愛読されるというのは、アメリカの文学に強い影響を受けていること、注釈が必要な日本文化の影が少ないこと、その内容と共にそのライフスタイルが日本離れしていることも世界に通用する原因なのでしょうか。日本人の小説家といえば一般的には 大江健三郎のような固いイメージが通用しているようです。その中でラフなスタイルで通し、生活習慣を何十年間変えず、病的ではなく、健康的に小説を書き続けるその姿勢はワールドワイドに共通なのでしょう。昔ほどではないが、文人とは癖があり、奇人でどこか普通の人と違うというのが一般的なものですが、村上は日常性の強靭さを持っていると思われ、それが若い世界の読者を惹きつけるのでしょう。

 村上春樹の小説には、普通の人の普通の生活を取り上げながらスト-リーを展開していくのが多くのケースです。私には、大江健三郎のようにテーマを持って話を進めてくれるほうが詠み易いのですが。しかし、村上の小説は、読み進むうちに引き込まれていき途中で投げ出すことにさせない魅力があります。

 村上春樹に影響を与えたものとして、学生運動としての全共闘闘争経験、オオム真理教の地下鉄サリン事件、があげられています。東北大震災、それに続く原発事故がどのように位置づけられ手いるかはまだ不明のようです。これについても小説を通じて全世界に村上の心を発信してもらいたいとものです。

 世界のムラカミに望まれるのは、ノーベル賞の受賞ですが、近年アジアで受賞しているため、数年先になる見通しであるのは残念ですが、できる限り若いうちに受賞してもらいたいと願うものです。

 それと共に、1Q84の第4部が書かれることも期待したいものです。

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


〒194-0045
東京都町田市南成瀬1-2-1 成瀬駅前ハイツ2-1005号
TEL: 042-723-1478    FAX: 042-723-1478