2020年6月 4日

2020年 5月のブログ ― 新型コロナウィルスが提起した問題点

2020年 5月のブログ ― 新型コロナウィルスが提起した問題点

今月は、新型コロナウィルスがもたらした教訓等について述べてみたいと思います。

5月25日を以て新型コロナウィルスに関する緊急事態宣言が全面的に解除されました。完全に収

束したわけではないので油断は禁物ですが、解除に至ったことは喜ばしいと思われます。緊急事態

宣言解除前までは、閉塞感に囚われていましたが、ほっとすると共に生き返ったような気がします

。新型コロナウィルスは世界で猛威を振るい続けていますし、2波、3波の動きもあるので今後も

目を離せません。 

1.指導者の重要性

 今回の対策の中で指導者の力量、つまり、効果的対策の提案、それを推進する実行力並びにタイ

ムリーな情報開示が問われました。我国においては、安倍首相が経済界に配慮するあまり対策も遅

れ、緊急事態宣言も中途半端ということで批判されました。その点、大阪府の知事の言動は分かり

やすく具体的で自ら責任を負うという姿勢も見られ多くの人の共感を呼びました。神奈川、千葉、

埼玉の知事は東京都の知事の影に隠れ、独自性が見られませんでした。首相を始め、知事たちの「

遅い政治」により困るのは国民たちです、スピード感のある効果的な政治を臨みたいものです。指

導者に求められる要件は、「方向性を示す」「意味を持たせる」「共感を招く」と言われるのも最

もと思わされます。

 米国のトランプ大統領は、相変わらず経済優先、不確かな情報に基づく発言等、指導者にふさわ

しくない言動のみが目立ち、すべてがこの秋の大統領選に向けての自己の立場を第一とするお粗末

さでした。その点、ニューヨーク州のクオモ知事は指導者にふさわしい言動で人々の信頼を集めて

いました。

2.隔離の重要性

 今回の対策で1番重要だったのは隔離対策でした。対策が不十分であった、病院、飲食店で集団

感染が発生しました。世界的に見ても隔離作を徹底したところは感染を抑制している結果を出して

います。隔離とは、社会的には分断を伴うもので不便であっても緊急事態宣言は重要であると実感

させられました。

3.公共と個人の権利の相克

 公共のため個人の権利はどこまで抑えられるかという問題が提起されました。我国では緊急事態

宣言も個人には自粛という形で行われ、強制力が少ないものでした。外国の場合、強制力を持ち警

察等により行使され罰則を伴うものでした

公共のために個人の権利が制限されるのはやむを得ないかと思われますが、感染経路把握のため

位置情報をスマートフォンを使用して把握するという方法は外国で成果をあげているいると言われ

、我が国にも導入の動きがあります。

4.貧富の格差の感染への影響

通常の災害の場合と同じく、新型コロナウィルスも貧困地帯、及び貧しい人々により大きな災厄

をもたらしました。貧しい人は医療保険に入れず、感染が疑わしくても費用の関係で検査を受けら

れない事態が多発し結果として感染、死亡という事態を招くに至っています。また、住居も狭く、

密集している貧困地域は。3密そのもので一度感染が発生すれ爆発的に広がります。これが現在、

顕著に現れているのがブラジルです。感染・死者数の爆発的増加を招きその数は瞬く間に米国につ

いで2位を占めるに至っています(5月28日現在1日の感染数が2万6千人に達しています)。

ブラジルの大統領は、風邪の1種だと言って対策を支持せず、経済最優先の態度を変えていません

。このままでは拡大の一途であると懸念されます。

5.ワクチン及び治療薬の開発の重要性 

ワクチンと治療薬が開発されなければ安心できません。治療薬は、ウィルスの増殖を抑える効果

がる薬の転用を図り成果が見られるものを認定しようとしています。早期の認定と他の薬の検討も

願いたいものです。ワクチンは各国の開発競争で米国ではトップを切ってある程度の効果が見られ

るものを開発中ですが、早くて来年ということで待ち遠しいです。ワクチンの開発には巨額の金額

を要します、日本の予算は米国、中国と比べて1桁少ない額です。

新型コロナウィルスの感染が収束し、世界の人々が安心して暮らせる日が1日も早いことを願いま

す。

 

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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