2020年4月 2日

2020年3月のブログ ―新型コナウィルスの現状と対策

2020年3月のブログ ―新型コナウィルスの現状と対策
今月は前月に引き続き猛威を振るいつつある新型コロナウィルスについて取り上げます。その後
の経緯は、正に猛威と言うにふさわしく世界中に患者数を増加させ死者数も増え続けています。現
在のところ、人間の英知がまだ追いついていない感じがします。この結果、世界の国境を閉鎖して
、他国の人を入国させない閉鎖措置がとられ、グローバル化が一時ストップしたような状態にあり
ます。
1.現状
WHO(世界保険機構)が月末に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」としてから2ヶ月後
、3月11日にパンデミック"世界的大流行"と認めました。
 世界の患者数[死者数は( )で示す]は50万人超、米国が1位で16万3千人、(2,850人)
中国本土8万1千人(3,312)、イタリア10万5千人(12,430)、スペイン9万4千人
(8,189)、ドイツ6万7千人(732)、日本はクルーズ船の患者を含め3,222人(81)
 時と共に世界各地へ拡延し、数も増加していますが、収束の目処は立っていません。また、患者
数はコロナ検査の実施数に比例しますし、中国のように陽性であっても症状がなければ患者数に数
えないという違いがあり、保険制度の普及が遅れている国では、医者にかかれない、また、自宅で
死亡した場合は死者数に数えられないという点があって、実際の患者、死者数は発表より遥かに多
いと言われています。
 英国のチャールズ皇太子、ボリス・ジョンソン首相も感染が確認されました。ジョンソン首相は
、12週間のうちに英国はウイルスに対して形成を逆転してウイルスを追い払うことができると述
べていました。ぜひ実現を願いたいものです。
2.初期対応の重要性
 初期対応の重要性は、以前から言われてきましたが、それを正しく実行できたかどうかがその後
の拡大に大きな影響を与えています。上手く押さえ込んだ国は、ドイツ、台湾、後手に回った国は
米国等です。対応には、ソフトとハードの2種あります。
ハードランディングとは、医療体制を含めた感染症対策の手段を大規模投入して短期的なコスト増
大にに耐える方法です。この方策は中国や欧米諸国が採用していて、短期的にはパニックが生じま
すが封じ込めることが可能な場合、早急な自体収拾を図るものです。
ソフトランディングとは、日本が採用している方法で、感染症問題は長期に渡りくすぶりつづけま
すが、投入する資源は限定的で制約は大きいですが通有の社会経済生活を継続することができます
。この方法は国民を長期にわたって一種の閉塞状態にし、不平と不満の下で過ごすことを強います
。突発的事態にはソフトランディングの方が安全策と思われます。
3.様々な世界の対応 ― グローバリゼーションの終わりの始まりか。
新型コロナウイルスの世界的拡大の前に、世界は協調より分断化に向かいつつあるように見えま
す。
・トランプ大統領は演説で新型コロナウイルスを「中国ウイルス」とわざわざ言い換えたように感
染問題発生後、中国が情報隠蔽を行ったという非難は強く出ています。
・横浜に寄港したダイヤモンド・プリンセス号への対処で、日本の感染症対策に対して批判は寄せ
られましたが、各国・各方面から建設的な協力は得られなかったようです。
・欧州に新型コロナウイルスが拡大すると、各国は国境閉鎖と国民の移動を制限しました。感染拡
散防止のための緊急措置も欧州諸国内でも実施時期にバラつきが見られた。欧州で医療機器に不足した国が他国に支援を求めたのに対して禁輸措置だ対応したケースがあります。
このように各国が各方面で分断化政策を取ると、グローにバル化が進められてきた方向が米国に
代表されうように自国第1主義となり、グローバル化の終焉に向かいかねません、その引き金を新
型コロナウイルスがひいいたといわれることになるかもしれません。
4.新型コロナウィルスの大流行はいつ終わるのか。 ー脱出方法
 この日々悪化していく状態から抜け出す方策は3つの方法があると言われています。
・ワクチン:かってないペースでワクチン開発が進められていますが、成功の保証がないし、実用
可能になっても世界全体で摂取が必要になります。ワクチン開発にはまだ1年から1年半かかると
いわれていて、前例のない制約を強いられている中で1年から1年半待つのは大変です。
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・自然の免疫:この方法は、できれば国民のうち一部が感染するだけで済むレベルに伝播を抑える
ことが出来るかという問題になります。この対応を2年続けた場合、既にその時点で必要なだけの
国民が感染を経験していて免疫を獲得していたとしますと、その人たちが社会の防波堤になりえま
す。しかし、この手段も免疫はいつまで続くかは疑問で、他のコロナウイルスのように、感染して
もしっかりとした免疫がつかず何度も感染して発症することがあります。
・代替案:感染率を低く抑えるために自分たちの行動形式を根本的に変えることです。既に実施し
た方策を今後も続ける、また、検査と隔離を徹底して行うことですがこれも実績としてうまくいっ
ていません。
5.日本の対応
 日本では1月下旬に事実上の国内問題化し、2月から外食や観光などを中心に業績が落ち,特に非正規労働者は家賃を支払えない状況に陥っています。2月27日に安倍首相は高校まで全国の学校で一斉休校を要請し、2週間程度のイベントの自粛を求めました。国民はこれに応え国民の多くも
活動を自粛しました。その自粛期限が過ぎても情勢はよくなりませんでした。知事が自宅待機、都
市間の移動制限などの自粛を要請したにもかかわらず、週末には多くの人が出歩くようになりまし
た。
感染対策とその対応に一貫した姿勢がみられません。対策は後手後手であった米国や英国でも問
題に対する対応、個人の生活を守る政策は早かったです。自宅待機、都市封鎖などの我慢を強いる
政策を出すとともに国民を救済する政策を打ち出しています。日本政府は国民に自粛は求めるけれ
ど救済策は形式的で規模も小いものばかりです。当面必要な対策は打撃を受けた企業と個人に対するす支援です。個人向けには、米国や英国のように一定の所得までの世帯に対して一律の給付をすることで当面の生活を援助すること等が期待されます。
最後に世界中のコロナウイルスの蔓延が終息することを願いたい、そのためにはワクチンの開発の
早期化にを全力を挙げて世界中の資源を集中し、新型コロナウィルスへの勝利宣言を発してもらいたいものです。


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森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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