2018年11月 6日

10月のブログー世界の右翼化潮流について

     10月のブログー世界の右翼化潮流について

今月は深まる世界のポピュリズムの台頭・右翼化の原因についてアメリカを中心に考えてみたいと思います。

アメリカは民主主義の先進国として世界のリーダーの地位にありましたが、今では世界最大のリスクとなっています。ひと握りの富裕層と大多数の貧困層への乖離が顕著で、これは、グローバリゼーションの伴う工場の閉鎖、工場移転により中間層が没落し、賃金の高い層と高い層の二極化即ち格差、不平等の拡大に伴う中間層の不満の声が世界を席巻し、ポピュリズム・右翼層の台頭につながり、この大きな流れに加えて移民問題が重なったことでトランプ大統領が誕生しました。

トランプ大統領の当選後、世界の右翼化の流れはとどまるところがありません。今月もブラジルの大統領選で、トランプ氏に劣らず差別的で右翼的な発言を繰り返してきた元軍人のジャイル・ボルソナーロが選ばれました。当選後の発言でも国民融和の発言は見られず、国民の分断化が進むものと思われます。西ドイツでは、移民に融和的な政策を進めてきたメルケル首相が州の選挙で相次いで歴史的な大敗を喫し、キリスト民主党の党首を辞任し首相職は任期の2021年まで務め、そこで引退すると発表しました。世界をリードしてきた理性的な真のリーダーが引退するのは世界の真のリーダーが不在の今、世界政治にとり残念なことであります。

1970年代までのアメリカン・ライフスタイルの共通文化が白人男性稼ぎ手の中間層家族文化であったといえます。1970年代以降、同性愛者、マイノリティへの寛容が広がるとともに中間層の溶解が並行して進行しました。そのため、階級的にも人種的にもまとまることが困難になり、不安や恐怖が暴力となって現れ、外部に向かうと戦争となり、国内においては、マイノリティへの差別化が顕著となり、近年、暴力と銃乱射が白人によって行われています。

こうした中、思想や生活文化の両極化が政治面に現れたのが、民主・共和の両党対立と、「決められない政治」です。1994年の民主・共和の支持層はイデオロギー的に重なっている部分が多く両者の対話が可能でしたが、2014年には両極分解が激しくなり政治面での中立がなくなり、対立が政治の中心となりました。一般的なイメージとしてのアメリカはレーガンあたりから変わり始め、ブッシュ(子)、トランプ下で決定的に変わりました。その意味では、現在の状態はトランプが生じさせた面もありますが従来の構造をより強めただけに問題はより深刻と言えます。テレビからインターネットへのテクノロジーの変化も、自分好みの情報への先導と他者への攻撃を強め分断化に一層拍車をかけています。

日本の留意すべき点は、今後、トランプ大統領が日本の核保有を迫る恐れがあります。しかし、日本は軍事費に投資すべきではないと思われます。日本はアメリカが誤った提案をしてきた場合、きちんとノーというべきです。国際社会のシステムを支えるためにアメリカの対等なパートナーなるべきです。敗戦後今も続いている対米従属と決別する時期に来ています。

世界は、努力の結果獲得した自由、平等、友愛、連帯等が失われ、自己のエゴのみを追求する理性の失われた状態に陥りつつあるのでしょうか、このような日本を含む世界的なマイナスの風潮が希望と進歩をもたらプラスに向かって世界が協力すべすべきと考えます。

 

 

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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