2014年11月16日

10月のブログー新自由主義は何をも足らしたのか

   10月のブログ 新自由主義は何をもたらしたのか?

 

今月は、現在の社会が閉塞感に溢れ住みにくい社会となった根本原因と見なされる新自由主義について述べてみます。

格差拡大、弱肉強食をもたらす新自由主義とはどんなものでしょうか。日本では中曽根首相の民営化論、小泉首相の規制緩和,骨太の方針等が有名でこれらにより、比較的平等であるとみなされてきた日本社会が格差、社会不安、貧困層の増大に伴い分断されてきました。

この新自由主義を歴史的に振り返ってみますと戦後の世界は、アメリカのヘゲモニーの下、自由主義的でありました。この米ソ冷戦体は世界を安定させるシステムであったと言えます。先進資本主義国家ではソ連圏に対抗して労働者や農民を保護する福祉政策がとられました。

日本では自民党の一党支配体制が続きました。第2党の社会党とは激しく対立してきましたが、一方で自民党は社会党の反対意見を適当に取り入れる(影で金銭も伴う裏取引)という相互依存体制にありました。その中で日本的福祉社会が形成されてきました。

それが頂点に達したのが1980年代です。同時のこの頃、このシステムが老朽化して矛盾が顕在化してきました。この時期に新自由主義が始まりました。それが一挙に現れたのはソ連権が崩壊した頃です。その時期に労働組合は解体され、社会党は消滅しました。それまでは共同体的、相互援助的な体制が各所に残っていました。大企業では終身雇用制があり、それが永遠に続かのような想像共同体的な幻想がありました。それが急速に崩れ契約社員や派遣社員の割合が急激に増えました。それと共に健康保険制度や年金制度のような福祉国家の根幹が崩れました。これが新自由主義です。

 企業は賃金の安い労働者を求めて海外に移動します。熾烈な国際競争のためには人びとの生活は犠牲もやむを得ないと考えます。社会を構成する全ての人の幸福を追求していたのでは、全体の効率が低下し、力の強い者が巨大な利益を得られるのに弱者のためにそれを犠牲にしなければならない。これでは力の強い者がやる気を失ってしまう。力の強い者がやる気を失えば社会全体の成長の力は低下し全体の効率が低下してしまう。それを防ぐためは社会を弱肉強食することが必要となるというのが新自由主義の考え方です。これは、社会的ダーウイニズムであり、勝ち組、負け組、自己責任といった言葉が公然と語られています。資本=国家は労働運動を弾圧し、社会保証をカットした資本独裁体制が各国で出来上がっています。

 新自由主義とはこの資本の専制のシステムです。この資本の専制が生じたのは資本主義経済が強くなったからではなく、逆にその限界まで追い込まれたからだと言われています。強い間は資本は利益を労働者や農民に再分配できたのですが、今はグローバリゼーションの下で国民を犠牲にしてまでも自己拡大をしなければ世界的な競争に勝ち抜く又は生存することができなくなったからです。そのためあらゆる領域で商品経済化(すべてを金銭化)しなければならなくなっています。

 では、こうした流れに対抗するにはどうすればいいのでしょうか。未だ有効な対抗理論が出ていないというのが現状でしょう。対抗運動は各地で萌芽的に起こっています。これらを連動させて大きな力としていくにはそれを支える理論が必要ですが必ず知恵を絞って生まれてくるはずです。 この方向としては国際連合の根本的に強化し、目指す方向は世界共和国といえるのでしょう。

 

2014年11月16日

10月のブログー新中主義は何をも足らっしたのか

   10月のブログ 新自由主義は何をもたらしたのか?

 

今月は、現在の社会が閉塞感に溢れ住みにくい社会となった根本原因と見なされる新自由主義について述べてみます。

格差拡大、弱肉強食をもたらす新自由主義とはどんなものでしょうか。日本では中曽根首相の民営化論、小泉首相の規制緩和,骨太の方針等が有名でこれらにより、比較的平等であるとみなされてきた日本社会が格差、社会不安、貧困層の増大に伴い分断されてきました。

この新自由主義を歴史的に振り返ってみますと戦後の世界は、アメリカのヘゲモニーの下、自由主義的でありました。この米ソ冷戦体は世界を安定させるシステムであったと言えます。先進資本主義国家ではソ連圏に対抗して労働者や農民を保護する福祉政策がとられました。

日本では自民党の一党支配体制が続きました。第2党の社会党とは激しく対立してきましたが、一方で自民党は社会党の反対意見を適当に取り入れる(影で金銭も伴う裏取引)という相互依存体制にありました。その中で日本的福祉社会が形成されてきました。

それが頂点に達したのが1980年代です。同時のこの頃、このシステムが老朽化して矛盾が顕在化してきました。この時期に新自由主義が始まりました。それが一挙に現れたのはソ連権が崩壊した頃です。その時期に労働組合は解体され、社会党は消滅しました。それまでは共同体的、相互援助的な体制が各所に残っていました。大企業では終身雇用制があり、それが永遠に続かのような想像共同体的な幻想がありました。それが急速に崩れ契約社員や派遣社員の割合が急激に増えました。それと共に健康保険制度や年金制度のような福祉国家の根幹が崩れました。これが新自由主義です。

 企業は賃金の安い労働者を求めて海外に移動します。熾烈な国際競争のためには人びとの生活は犠牲もやむを得ないと考えます。社会を構成する全ての人の幸福を追求していたのでは、全体の効率が低下し、力の強い者が巨大な利益を得られるのに弱者のためにそれを犠牲にしなければならない。これでは力の強い者がやる気を失ってしまう。力の強い者がやる気を失えば社会全体の成長の力は低下し全体の効率が低下してしまう。それを防ぐためは社会を弱肉強食することが必要となるというのが新自由主義の考え方です。これは、社会的ダーウイニズムであり、勝ち組、負け組、自己責任といった言葉が公然と語られています。資本=国家は労働運動を弾圧し、社会保証をカットした資本独裁体制が各国で出来上がっています。

 新自由主義とはこの資本の専制のシステムです。この資本の専制が生じたのは資本主義経済が強くなったからではなく、逆にその限界まで追い込まれたからだと言われています。強い間は資本は利益を労働者や農民に再分配できたのですが、今はグローバリゼーションの下で国民を犠牲にしてまでも自己拡大をしなければ世界的な競争に勝ち抜く又は生存することができなくなったからです。そのためあらゆる領域で商品経済化(すべてを金銭化)しなければならなくなっています。

 では、こうした流れに対抗するにはどうすればいいのでしょうか。未だ有効な対抗理論が出ていないというのが現状でしょう。対抗運動は各地で萌芽的に起こっています。これらを連動させて大きな力としていくにはそれを支える理論が必要ですが必ず知恵を絞って生まれてくるはずです。 この方向としては国際連合の根本的に強化し、目指す方向は世界共和国といえるのでしょうか。

 

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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