2017年9月12日

 8月のブログーバノン罷免のトランプ政権への影響

       8月のブログーバノン罷免のトランプ政権への影響について

今月は、オルトライト(白人ナショナリズムを信奉する新極右勢力)の唱導者スティーブン・バノン大統領主席戦略官・上級顧問の解任劇について述べたいと思います。

バノンは、白人至上主義者であり、強烈な反エスタブリッシュメント、反エリート、反グローバリズム、反移民、保護貿易主義です。大統領選挙においては、軍師として劣勢にあるトランプに極端な政策を主張させ,結果として勝利に導きました。いわば、彼なくして勝利はなく、トランプ大統領誕生の最大の功労者でありました。

シャーロッツビル事件(人種差別を伴う流血事件)の対応を巡り政権の延命策のためトランプが自らの最側近のバノンを切り捨てることになりました。問題はシャーロッツビル事件における白人至上主義とこれに対する反対派との衝突の意味の重要性とバノンの罷免でトランプの人気回復と政権基盤が今後安定するのかという問題です。

シャーロッツビル事件とは人種対立の衝突事件であり、南北戦争当時の南部軍国旗を取り外すかどうかについて取り外しに反対するオルトライトとこれに対する反対派が衝突し、オルトライトが反対派に車を突っ込ませて反対派の女性一人が死亡しました。タイム誌の記事にあるシャーロッツビル事件の写真を見ると倒れて頭を抱えている相手にさらに棍棒を振り降ろしている姿は憎しみで敵を抹殺しようとしている姿そのものです。このような対立の流れを止めなければ国家の分裂を一層深めます。

白人至上守護者の右翼主義は人口数を含めてあらゆる面で劣勢に立たされていて、極小集団にまで落ち込んでいましたが学者等知識人のテコ入れによってオルトライトとして再生し、マスコミ等で勢いを増加させています。これに反ユダヤ主義、ナチズム信奉という新たな火種を抱えています。良識派である反対派はこれに対抗しようとしていて、一部ではネオアンチ(反ファッシズム)として武装した勢力として登場しています。彼らは、自由、平等を守るためには暴力も必要だと唱えていて頼もしい面もありますが、武力衝突による流血の惨事が多くなりかねません。社会の緊張は増大しています。それを平気で利用しているデマゴーグが大統領の椅子にいます。この のままでは

米国の民主主義は危うくなりかねません。sあ

これらの人種問題は放置すればエスカレートするのは明白でありますから、歴代の大統領はこの種の事件の後、必ず声明を出し、差別主義者を非難した上で、国民の融和と双方の自省を呼びかけました。ところがトランプは事件の発端を作った白人至上主義者を避難するのではなく、双方が悪いという発言をしました。人種差別主義者を称える政策も実行しました。これに対して全米で非難の声が湧き上がりました、民主党は言うまでもなく、共和党からも、経済界、マスコミ、国民からも人種差別の容認は許せないという大合唱です。さすがのトランプも沈静化の必要性を認め、意に反してバノン罷免を決意しました。保守強硬派のバノンが政権の中枢を去ることにより、共和党主流の穏健路線になり、国民の支持も増え、政権基盤が安定化することが期待されています。さらに、米国は世界のリーダーとしての役目を背負わされています。今北朝鮮問題、難民問題、中国の覇権主義、IS関連のテロと問題が山積みです。この時、米国大統領は自国主義だけでなく、世界的視点で問題解決に取り組んでもらいたいものです。

 

森島 中小企業 ISO支援オフィス


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