2016年2月10日

9月のブログー増加する難民問題について

    9月のブログー増加する難民問題について

 

今月も増大する難民問題を取り上げ、問題の根本にある条約等にも言及します。

8月2日に2歳の幼児の死体が海岸に打ち上げられたことで、ヨーロッパ各国の難民への対応がガラリと変わり、前向きの取り組みが進展し、それは歓迎すべきことですが事態は依然深刻です。

先ず、このような事態を招いた根本原因、諸悪の根源と言えるのは当時の三大強国英、仏、露が恣意的に国境の線引きを図ったことにあります。それは、サイクス・ピコ協定で、この協定は、1916年5月にイギリス、フランス、ロシアの3カ国が締結した秘密協定で、当時オスマン帝国が領有していた東アラブ地域におけるイギリスとフランスの勢力圏を定めたものです。協定では、フランスが現在のレバノン、シリア、イギリスがパレスチナ南部とヨルダン支配地・勢力圏とし、エルサレムを含むパレスチナ中部を3カ国による国際共同管理と定めました。現在、シリア、イラクを含む東アラブ地域の諸国家は、おおむねこの協定に基づいて設定された境界線を国境として独立しています。この住民を無視した、恣意的国境設定は、民族・国境紛争を引き起こし、現在の難民問題につながっていることの理解が必要です。つまり、問題を作り出したのは現在のEUにあります。

9月までに、難民の死者は2600人、EU、特にドイツや北欧に移動した密航者は35万人に達しています。彼らは、ヨーロッパ各国の無力な対応の犠牲者と言えます。9月末に開催されたEUサミットでも首脳たちの足並みの乱れを示すと共に彼らの及び腰の姿勢は、世界の各国に無為無策の姿勢をとる口実を与えています。難民希望者が最初に入国した国で認定手続きを受けるよう定めたダブリン条約が責任逃れになっています。

難民の最終目的地は、地理的理由から地中海沿岸諸国やバルカン半島を経由してヨーロッパを目指し、ドイツやイギリスになっています。EU加盟国の多くは、国境検査なしに域内を自由に行き来できるシェンゲン協定を批准していますが、今回のEUの亀裂は、この協定を脅かし兼ねません。現に経由地であるハンガリーでは、国境管理を強化して、国境付近では警察官が催涙ガスや放水銃で難民の流入を力ずくで阻止しようとしています。クロアチアはこれ以上の難民は受け入れられないと声明を出しています。さらに、ギリシャ、イタリーは、同協定批准国以外の国境管理で悲鳴をあげていて、他の国でも移民への恐怖を煽るポピュリスト達の躍進を許しています。欧州各国では、近年、失業増加や、格差拡大への不満が高まり、反移民や反EUを掲げる反体制派政党が存在感を増して国内対立が増加しています。

現在、レバノン、ヨルダン、イラク、トルコ、イラクに滞在しているシリア人は、国内避難民と合わせて1100万以上に達していますが、戦争の終わる見通しはたっていません。難民危機は、更に深刻化することが予想されます。今後もEUへの移民の大量移入が続けば、EUの根幹が崩れる自体に発展しかねません。そのためにも、当面の対策以外に根本的な対策が必要です。シリアの難民を止めるには、悪の根源であるアサド政権とイスラム国の始末をつけなければ、自体は悪化こそすれ解決しません。責任ある大国は、シリア、イスラム国を悪ではあるが、これを倒せばより大きな問題が発生することを恐れ、必要悪として現状維持を望んでいるのではないかと懸念されます。

現時点における、次善の策はヨルダン、レバノン、トルコといったシリア周辺国に十分な支援を提供することにあるでしょう、そうすれば移民が命懸けで地中海を渡る危険を思い留まらせることになり、また、近くにいた方が問題ガ解決した場合、速やかに帰国が可能となるからです。

シリア難民の問題は、EUが主な責任を負うべきですが、他の国も傍観できません 。1951年に採択された「難民の地位に関する条約」が示すとおり、国際社会全体で難民に対して連帯責任を負っているからです。

日本の対応策ですが、あいも変わらず、安倍首相は、難民支援のための金額を負担することにしました。しかし、金額支援だけで世界の理解が得られるでしょうか。対するドイツは、年内に人口の1%に相当する80万人の難民の受入れと60億ユーロの難民対策費の増額を決めています。このメルケル首相の決意は、世界で歓迎されましたが、多様性への寛容な国への道は険しいようです。治安の悪化や、財政負担の増加の懸念から、難民拒否の声が再び高まっています。それでも、ドイツは課題を乗り越え、難民とともに生きようとしています。いずれ日本も、それ相応の難民受け入れが要求されることは明らかです。私たち国民はどのように対応するか決断を迫られる時期は近いと思われます。よそ事としてはすまされなくなるのではないでしょうか。その準備は今から必要です。

結論としては、EUは、今以上に真剣に難民問題に取り組む必要があります、それと共に全世界が一丸となって早急に解決へ取り組む必要があるということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年2月10日

8月のブログー戦後70年、戦争後と現在の子供の比較

 8月のブログー戦後70年、戦争後と現在の子供の比較

今月は、戦後70年に当たりますので戦争直後の子供と70年後の現在の子供との比較をしてみます。別の機会に、思想、政治、文学の視点で戦後70年の比較に挑戦したと思います。

 

 終戦直後の子供と今の子供を比べて、70年間に大きな変化が見られた幾つかかの点を主観的に概観してみます。

・子供の数:1家族34人が普通でしたが、現在は少子化で1家族の子供は1~2人です。子供の数が多いということは、家の中が賑やかであり、家の内外で子供なりの世界が作られていました。

子供の世界というのは、大人のものとは別に子供なりのルール、価値観が形成されこれが子供を支配するものとなります。当然、今はそのようなものは極めて少なくなっています。

・コミュニケーション:家族内、子ども同士

 祖父母が一緒に暮らすことが多く、悪いことはしてはいけない、必ずバチが当たるとか、酒、タバコ歯いけないと孫達に繰り返し言い聞かせたものでした。反発しつつも、頭の中に染み込まされたものです。今は、少ない孫から嫌がられないようにそのようなことをいう年寄りも少なくなってきたようです。

私の子供のころは、家の中では、年長者をトップとする秩序が有り、これを子供全体が守っていました。上の子は、下の子の面倒をみるだけなく、内外のカバーをしました。今では兄弟の数が少なく個々バラバラで纏まり難いでしょう。子供同士も外で集まり、グループを作り、その中に長幼の区別が有り、態度、言葉遣いもそれなりに異なるのが普通でした。ガキ大将がいて威張っているが、ルールを教え、弱い子は守り、他のグループに対しても身内を守るそんな姿勢が見られ、これが順次引き継がれていました。

・遊び、運動

 子供は風の子と言われ、寒くても暑くても学校から帰ると外で暗くなるまで遊ぶのが普通でした。今は外で遊ぶより家の中に閉じこもる方が多くなっています。これは、テレビがるとか、ゲームがあるということと共に子供の数が少なく、外へ出ても遊び相手が見つからないというせいもあるのでしょう。

  遊びも、昔は、道具は使わず、鬼ごっこ、陣取り、肉弾戦、相撲等、体で勝負というのが多かったようです、道具といっても、野球は別にして、めんこ、ビー玉、独楽程度でした。今は、ゲーム機、スマフォ等遊ぶ道具には事欠かないようですが、どちらかといえば友達と体ごとぶつけあう遊びはサッカーを除いて少ないようです。

  体をぶつけ合う、喧嘩や遊びを通じて相手をどれくらい痛めつけるかが理解でき、そこから手加減を覚えたりしたものですが、今はそのような経験がないせいか、かっとするといきなり極端な暴力に走りがちと聞きます。

・現代の子供の問題点

  一つは、子供の評価が勉強1本でしかなくなったせいで子供は勉強に追われがちで、その他の方面に時間が使えない。ある意味で気の毒な状態にあります。低学年は程々に勉強して、高学年、上の学校に入ってから勉強すればよかったのです。勉強に追われ、遊ぶ時間のない子供なんて子供言えないようで気の毒です。

もう一つは、子供が、インターネットゲームやスートフォンに犯されているということです。特にインターネットゲームは依存症というものなりやすく、インターネットゲーム依存性はアルコールや薬物依存症と何ら変わらない、つまり覚醒剤依存性と何ら変わりがないと精神医学者は早期の対策が必要と警告を発しています。進んだ技術が人間に害も及ぼすこともあり得ますので、使用を制限する等の対策を施すのが大人の責任と言えます。

・結論等

子供は、どんなことがあっても育つものです。戦後、食物を含め何も物がなかった子供も戦後の復興を担うことができました。物がなくて環境が整っていないとい心配されたが子供はそれなりに元気に育ちました。今の子供も問題点がるように見えても子供なりに克服して成長するでしょう。ぜひそう願いたいものです。大人がやるべきことは、世界中の子供が平和で豊かに暮らせるように精一杯支援することにあると思われます。

 

2016年2月10日

 1月のブログ  本年に解決を望む項目等について

  1月のブログ  本年に解決を望む項目等について

 

新年を迎えて、私たちが望むのは、平和、繁栄、安定と楽しみをもたらしてくれることです。これに沿わない事項には解決を望みたいものです。今回は、今年に解決を期待すること等を述べたいと思います。

1.日本政治について

日本の政治について述べる時、ある程度諦めを持って語らざるを得ませんが、これは日本のみでなく世界的状況でもあると言えますが、先進国の中でも、突出していると言えるかもしれません。日本の政治は、言葉を軽んじ、党利党略と選挙のためなら原理原則を踏みにじっても恥じない政治が横行しています。これは、最近よく使われている、反知性主義そのものであり、その筆頭格が安倍首相です。反知性主義とは、複雑な問題を一気に解決しようとして、合理性、実証性及び客観性を欠いた自分の 思うままに世界を解釈しようとする態度です。反対意見を無視し、自分に都合のいい意見のみに耳を傾ける態度です。では、反知性主義を克服するにはどうするかといえば、評論家の佐藤優氏は次の3点を挙げています。(1)自分の置かれた社会的状況を出来るだけ客観的に捉え、言説化すること (2)他人の気持ちになって考える訓練をすること (3)LINE(ライン)などのSNSを用いた話し言葉的な思考ではなく、頭の中で自分の考えた事柄を吟味してから書く「書き言葉」的思考を身に付けること

です。日本の政治が成熟し、よりよい国へ向かうことを望みます。

 

2.米国の大統領選挙への期待

今年の秋に米国の大統領選挙が行われます。世界1の大国ですから世界に与える影響を考えると結果に注目しています。与党の民主党はヒラリー・クリントン氏とバーニー・サンダース上院議員との一騎打ち、共和党は10人以上候補者が入り乱れて混戦模様です。注目は過激な暴言を吐くトランプ氏とクルーズ氏、マルコ・ルビオ上院議員の3氏が有力候補です。トランプ氏が大統領に選ばれたらと恐怖の気持ちが起こりますので、そんなことは絶対無いよう願いたいものです。米国の政治は、現職のオバマ大統領が登場した時、新鮮で米国が新しくなるのかと注目し、期待しましたが特に大きな変化がなく失望しました。現状では多くの変革は期待薄なのでしょう。その反動がトランプ氏の過激発言、保守派のクルーズ氏の人気を高めているのでしょう。民主主義の手本であった米国で新大統領へ新しい希望を託せないということは米国民にとっても世界にとっても不幸な事です

予測としては,クリントン氏の安定性が勝利するかと思われますが、何か世界の希望をもたらす新鮮さがないかと思われます。しかし、新大統領には、世界のリ-ダートして、世界平和と経済成長のために指導力を発揮して、現在のドイツのメルケル首相のみに重荷を背負わさないようにしてもらいたいとのの望みが大です。

3.石油掛価格の適正化

  昨年に引き続く石油価格の下落傾向は今月には1バレル30ドルを割り込む水準に達しました。

石油価格が下がればガソリン価格、その他の生活関連製品が安くなるから大歓迎と消費者としては喜んでいられるわけですが、世界の経済等の安定という観点からはそうばかりとも言えません。その理由は2点あります。

1.石油価格が暴落すると、石油を主な収入源とする諸国は、歳入不足による財政問題を引き起こし、国民の不満による政情の不安を招きます。中南米の石油産出国は言うまでもなく、ロシアも石油依存率が高く石油価格の下落はプーチン大統領の威信にも陰りをもたらします。サウジアラビアも第一の石油産出国のため、石油価格の下落は、国家の財政運営に支障をきたし、国民の不満、王族間の権力争いを激化させ、中東不安を増大させます。 

. 石油価格の下落は、環境問題にも影響を及ぼします。石油価格が下落すれば、代替エネルギーの開発,省エネのインセンティブが弱まり、地球環境にとってマイナスの影響を及ぼします。

これらの理由で石油価格が適正な水準を維持することが望まれます。

 

4.先進諸国の保守化の打破

日本を含め世界は保守化傾向を強め、対外政策の強行化、難民問題、国内の外人労働者への風当たりを強めています。つまり異質なものへの寛容というか配慮を欠く程度が増大しつつあり、欧米では階級社会の再構成が進んでいます。その原因は、所得格差の増大、教育格差の増大、高齢化による保守化に原因が求められます。教育に関しては、高等教育を受けられる層と中等教育に留まる層に分かれるになっていて、米国では、60年代,日本やフランスでは90年代に教育上の階層が出来上がりました。高齢化で社会は固定化します。個人は独立し、利己的なり、社会は内向きになり未来への展望は閉じられがちとなります。また。先進国は伝統を求めて先祖帰りを図りつつあり、米英は経済的不平等を促進する経済自由主義、新自由主義を強めつつあります。日本は戦前へのナショナリズムに復帰するかのようであります。こうした、先祖帰りでは問題の解決になりません。伝統の美化に惑わされることのないようにし、近代の基本的原則である、自由、平等、友愛に立ち戻り、真の意味での経済的平等、真の自由が望まれます。そのためには、国民ひとりひとりの真の自覚が求められます。

5.難民問題

  中近東から欧州への難民問題、今年こそは解決してもらいたいものです。現在、ドイツで、難民の集団による婦女暴行問題が起こり、難民受け入れ反対の声が高まり逆風になっていますが、これは難民をより厳しく取り締まるより仕方がないかと思われますが、これも予算の問題があり、どこまでやれるかが問題です。難民側も、自らの行為が後から来る人の足を引っ張ることに留意するようにといってもこれは無理な要求かもしれません。

  難民問題の解決には、シリア、イラクの平和的解決なしでは不可能です。世界の大国の真剣な解決への取り組みが望まれます。

 

年初に当たり、今年は明るい規模の年であるように願います。そのために自分にできることは何かを考えて、前向きに進みたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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