2017年7月 6日

6月のブログー ロシアゲートの本質は何か

   6月のブログー ロシアゲートの本質は何か

今月はこれから捜査、追及が本格化しそうなトランプ大統領のロシアゲートを取り上げます。

トランプは就任6ヶ月を待たずして、ロシアゲート疑惑によって大統領弾劾の可能性もあると考えられています。ロシアゲートとは簡単に言うと、ロシアとの間の不正疑惑のことです。

45年前に起こったウオーターゲート事件との類似点は以下にあたります。

1. 疑惑の発端は、大統領選挙をめぐる民主党の総本部である民主党全国委員会(Democratic National Committee、以下DNC)への諜報活動にあること。

・72年の大統領選挙でニクソン大統領の再選のためニクソン陣営は、ワシントンのウオーターゲートビルにあるDNC本部へ盗聴器を仕掛けようとしました。

・昨年の大統領選挙ではDNCのコンピュータがロシアにハッキングされました。

2. 疑惑の渦中にいるのが大統領の側近たちである。

3. 選挙工作, カネ,選挙妨害が明るみに出てきている。

4. 疑惑追及の手が大統領に及ぼうとした時、司法介入をした。

・ニクソンは特別検察官の解任を行った。

・トランプもジェームズ・コニーFBI長官を解任するという司法介入をしました。

今回はウオーターゲート事件にも匹敵しうるかもしれないロシアゲートを選挙工作、利権、情報漏洩、捜査妨害の順で取り上げます。

 挙工作トランプがロシアに対しヒラリークリントンへのハッキングを呼びかけたのは昨年7月、DNCへのサイバー攻撃が発覚した翌月とされています。DNCやクリントン陣営から盗まれた大量のメールが内部告発サイトのウイキリークスに流出しました。これはクリントンのイメージを貶めることを狙ったとされています。自由と民主主義というアメリカ的価値観の敵であるロシアに対して違法なハッキングを促すのは信じられないことです。その後もロシアは官製メディアやソーシャルメディアを使い、クリントンを中傷するフェイクニュースをながし続けたとされています。ロシアによる選挙工作はトランプ当選に大きく貢献しましたが選挙や大統領の正当性に大きな疑念を残すことになりました。

利権: 非上場のファミリー企業であるトランプ・オーガニゼーションはロシアで事業を行っているだけではなく、世界で展開するビジネスに、ロシアから資金洗浄された巨額の資金が流入しているといわれています。トランプ政権の特徴は、ファーストレディー以外の家族までもが、クリシュナーを筆頭として大統領側近として影響を及ぼしている点です。家族ぐるみでビジネスに関わってきたトランプ家のメンバーが加わるトランプ政権は私的ビジネスと公的な外交・安全保障との利益相反即ち公私混同が常に指摘されています。

捜査妨害: ロシアから選挙工作とカネの援助を受け、大統領に当選した疑惑のトランプは見返りに制裁解除や情報漏洩、NATO牽制など、ロシアに有利な取引を行おうとしているのではないかと国民の不信が高まりました。これを受け、司法当局が捜査に乗り出そうとした直前にFBI長官のコミーが解任されました。その後、コミーは上院情報特別委員会の公聴会で証言しました。これに対し、トランプはこの発言をツイッターで多くの誤った発言と嘘と非難しました。両者の発言は食い違いますから前FBI長と現職の大統領のいずれかが嘘をついていることになります。どちらを信じるか、政治的立場と2人の人格をどう判断するかによって決まってきます。コミーはキャリアを通じて、独立性と誠実さの人という評判を築いてきました。

また、ロシアによる米大統領選挙への介入疑惑を捜査するため特別検査官にロバ

ート・ムラー元FBI長官が任命されましたが、ムラーは最適な人物であると民主

党」共和当の両方から評価されています。からムラーは細部にこだわり徹底的に

責めまくることで知られています。上司の言いなり

になりにくいため、FBI長官時代に折り合いが悪かったとされています。また9.1

同時多発テロの後はFBI解体を防いだことで知られています。

シアゲート疑惑の追及は、トランプは初めて嘘に嘘を重ねても非難をそらせない事態に直面することでしょう。任期途中で大統領の座を追われる可能性も大いにあり得ます。グローバル時代の今日、米国の影響を受けることなく済ます事のできない我々にとって一刻も早く退場願いたいものです。なお、大統領の弾劾の可能性については、先秋で述べたいと思います。

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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