2020年2月10日

2020年 1月のブログ ― 新年の予想と出来事

20201月のブログ ― 新年の予想と出来事

2020年は令和、新天皇になって初めて真の意味でのスタートになり、東京オリンピックも開催され明るく希望に満ちた年になることが国民の願いであります。私も今年は平和で豊かで幸せな1年になることを願っています。

さっそくですが、今年の予想と新年早々世界を震撼させる2つの出来事が発生したのでそれらについて述べたいと思います。

今年の予想として国際政治学者で地政学(地理的な環境や条件が1国に与える政治的、軍事的、経済的影響を巨視的な視点で分析するもの)の権威であるイアン・ブレマー氏の予測を取り上げます。氏によれば2020年は地政学的な交代が始まった危険な年になるということです。

1.  米中関係はさらに悪化し得る上、世界経済はそのサイクルが弱体化に向かうし、米大  統領選挙の結果はトランプの再選如何に拘らず深刻な問題を引き起こす。

2.  急拡大が続いてきた経済成長が減速を始める。

3.  地政学的サイクルは、経済より時間軸の長いものであり、その地政学的なサイクルがリセッション(景気後退)にあるかどうかの判断は世界的秩序が保たれているかにあります。過去数十年にわたり世界のパワーバランスは西洋諸国から中国へ移って行き、その動きは国際的機関に反映されていて、パワーバランスが大きく変化した時に機関のまとまりを欠くことになり、現在の各機関がそれを示している。

4.  決定的に重要なのは、中国の習近平国家主席の抱く「一帯一路」や「中国製造2025」などの望みではなく、西洋諸国とのテクノロジー開発における衝突で世界が深刻な地政学的リセッションに突入したことである。

5.  米国と中国が敵対的関係にあるのは日本にとって極めて悪い状況であり、日本は米中両国の争いが最小限になるよう間に入り、出来ることは何でもやるべきである。米国のリーダーシップに頼れる状況ではなくなっているが、今年の選挙の前後では米国の混乱した姿が一層顕著となる。

新年早々ショッキングなニュースについて

1.米軍の無人機によるイラン革命防衛隊コッズのカセイム・ソレイマニ司令官の殺害

1月3日米軍の無人機がバグダッドの国際空港近くでイラン革命防衛隊コッズのカセイム・ソレイマニ司令官を殺害しました。イランは猛反発し、一つ間違えれば大戦争になりかねない状態かと思わされました。しかし、両国の戦力の差は大きく、イランも戦うべきは軍事戦争ではなく、政治戦争であり、その戦略目的は、イラクなどの中東地域からの米軍の撤退と米軍影響力の低下であるため、自制的行動となりました。国民の反米感情を煽ることにより、経済制裁で疲弊し、溜まっていて爆発寸前の国民の不満をそらす方向に活用としてある程度成功しました。カセイム・ソレイマニ司令官の殺害には謎も多く、当然のことながら内部通報者がいたであろうし、司令官も弾圧で有名でしたから無くなり、米国は当然としてイラン、も多少ホッとしたのではないかという穿った見方もあります。

ところがイランが8日ウクライナの旅客機をミサイルで撃墜し、乗組員全員176名が死亡という悲惨な事故が発生しました。最初、イランは否定していましたが、米国等から証拠を突きつけられ11日に「人的ミス」によって「意図せず」撃墜したことを認めました。これがイラン国民に反発を招き、最高指導者等に対する反発デモが発生しました。

 

2.中国の武漢市で新型肺炎が発生

2019年12月に湖北省武漢市で初の感染症が報告され、中国の保険省当局は1ヶ月で原因が新型ウィルスであることを特定し、その遺伝子配列情報を世界に知らせて、各国が迅速に検査態勢を整えられるようにしました。これは2002年のSARSが広がった際、中国当局は事実を隠そうして感染が拡大したのとは異なった対応でした。今回の流行の原因を探る上でヒントとなるのは初期の感染者が武漢市の海鮮市場(水産物だけではなく生きた動物も扱っている)に出入りしていたことにあるようです。急がれているのは感染源動物を特定することで、感染源の動物が分かれば武漢市をはじめ中国内外の市場で扱われている同じ動物が検査されることになります。

過去に例のないコロナウィルスを原因とする肺炎が発生したのはSARS、MERSに続き今回が3回目です。患者数は、中国本土で29日現在SARSの数を上回る感染率です。今後、どこまで拡大するかは予断を許しませんが、タイムリーで全面的な情報共有が不可欠であるといえます。

中国当局の新型ウィルス発生の公表にも関わらず、初期対応の遅れが事態の悪化を招いたとして非難されています。その後、武漢市の閉鎖、海外団体旅行の禁止、「感染拡大をを遮断する」ため春節に合わせた大型連休を2月2日まで延長するとしました。しかし、初動対策の遅れが指摘され、前回の事態教訓が活かされていないと非難されています。特に政府の高官の適応性、迅速性を欠く言動が問題視されています。日々のニュースは新型肺炎の終息に向かうより拡大一方及び死者数の増大となって現れています。中国当局の患者数の発表は信用できないとされるのは、隠そうとしているためと把握しきれないための両方です。中国で最も被害を受けているのは貧困層ですが病院へ行くこともできず、死亡しても該当患者に数えられていないと言われています。

国際移動が活発な現在、世界各國に患者が拡大増加しています。どのうような規模になるか、その致死率はどのようなものになるか懸念されています。ワクチンの開発を急いでいますが、試験段階に3ヶ月程度、実用化にはかなり先ということで拡大ストップの決め手を欠いています。

かくなる上は、世界各国が持てる全力を出し合って協力し、封じ込めを図った貰いたいと思います。最初が悪ければ後は良しということもありますので、今年の今後が良いことが多くあることを期待したいものです。

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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