2017年3月13日

2月のブログ ― バッハの音楽について

     2月のブログ ― バッハの音楽について

今回は、バッハの音楽について取り上げます。

バッハの音楽といえば、「主よ、人の望みの喜びよ」「G線上のアリア」「トッカータとフーガ」がよくきかれていると思います。私にとりバッハは最も好きな音楽家で、ほぼ毎日欠かさず聴いていますが、聴くたびによさを感じさせられます。以前は、ベートーベンもよく聴きましたが、今は1にバッハ、2にモーツアルトです。

 バッハの音楽は、厳かで品があり、とても格調が高いのが魅力ですが、何よりも音楽の楽しさも味あわせてくれます。これは、バッハが「音楽は楽しくなければならない」ということをモットーにしていたため、世代を超えてその精神が伝わるからなのでしょう。

 ヨハン・セバスティアン・バッハ(1681年3月31日―1750年7月28日)は神聖ローマ帝国アイゼナハ出身です。バッハの作品は偉大なという形容詞をつけずには語れない曲が多くあります。例として「マタイ受難曲」(古今の宗教音楽の最高傑作とされています)、「ヨハネ受難曲」、

「ブランデルブルグ協奏曲」、「無伴奏チェロ組曲」(チェロの旧約聖書と言われています)、「平均律クラビア曲集」(ピアノの旧約聖書と言われています)その他です。これらは、いずれも素晴らしい曲で何度聴いても飽きがきません、聴くたびに新たな感動が得られます。「マタイ受難曲」と「無伴奏チェロ組曲」について次にとりあげたいと思います。

 「マタイ受難曲」は、作曲後ずっと埋もれていて1829年メンデルスゾーンの演奏により奇跡的に復活したそうです。バッハの音楽は、心が萎えたときに生きる元気を与えてくれます。名盤と言われるものには、静謐性、厳格性、透明性が感じられます。聖書の「マタイ伝」による音楽劇という性格を持ち、イエス・キリストの受難を音楽にしたものですが、ストーリーテラーである福音史家が歴史を歌います。テノールでその声は高く澄んでいなくてはなりません。はまり役として有名なのは、エルンスト・ヘフリガー、フランツ・ブンダーリッ、ペーター・シュライヤーとその声には聞き惚れます。合唱曲とアリアで構成されていますが、アリアの方に心打たれます。アルトによる[懺悔と悔恨の情が]、ソプラノによる[血を流すが良い愛しい心よ]が特に素晴らしく、その悲嘆に暮れた声は、聴く者の心引き締め、涙さえ浮かべさせられます。「マタイ受難曲」は、CD2~3枚で、2時間を越す時間ですが初めから終わりまで息をつめて聴くことができます。キリスト教の知識がなくてもその精神は伝わります。ちょうど、神道に疎くても伊勢神宮など神社に行けばその荘厳さに自然と頭を下げるのと同じと思われます。

 次にチェロの旧約聖書といわれる「無伴奏チェロ組曲」について取り上げます。この曲も埋もれていて、パブロ・カザルスの手によって復活しました。私は耳が言い訳ではなく、演奏の違いがそれほど分かりませんが、この曲だけは違いが分かり、好き嫌いがはっきりします。パブロ・カザルスの演奏が決定版で、録音が古く音に多少難がありますが、その演奏は圧倒的でその荘厳さには頭が下がります。他にピエール・フルニエの明るく軽やかでフランス風の上品な演奏が大好きで、好みでは1番です。現代の2大チェリストであるミッシャ・マイスキー、ヨーヨーマの演奏は現代的過ぎて、私には今一です。

バッハの作曲には、他の楽器による素晴しい曲が多くあります。その音楽の良さは人類の遺産というべきもので、時代を超えて訴えかけます。その音楽にトライしてその素晴らしさを味わっていただきたいものです。バッハの音楽は、現代においても新鮮さをもち、ジャズやポップスに渡る多くの分野の音楽に応用されています。ジャズの世界では、フランスのジャック・ルーシェトリオがプレイバッハとして録音し、ジャズピアノの名手キース・ジャレットが平均律クラビア曲集を録音し、その即興性でバッハの良さを再現させてくれています。

みなさんもバッハに挑戦してその良さを体験してください。お勧めは、管弦楽組曲第2番、第3番、ブランデルブルグ協奏曲第3番、第5番です。

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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