2018年8月 8日

 7月のブログー戦後論について

          7月のブログー戦後論について


今月は、平成の元号として最後の8月15日を迎えるにあたり、改めて繰り返されてきた敗戦・戦後論を振り返ってみたいと思います.8月15日を敗戦とせず終戦として過ごしてきたことの影響を検討しみます。

無謀な戦争を企て、国を破滅させたことに責任ある指導者層の日本国民に対する戦争責任を筆頭として日本人はこの戦責任問題を否認してきました。一億総懺悔として責任をおあやふやにしてしまう動きが大勢でした。この責任問題に目が向かないようにするために敗戦ではなく終戦というような操作がされてきました。この間、日本を支えていたのは戦前の天皇崇拝に代わるアメリカ崇拝でした。戦後においてファナティックな天皇崇拝が失われ、これに代わり対米従属がその位置を占めてきっといえます。

経営者で作家でもあった故堤清二(作家名:辻井喬)氏は亡くなる数年前につぎのように言っておられました。「アメリカがますます衰退を深める中で、その衰亡のツケを全部日本に回してくるだろう、本当に大変な時代になります」。アメリカの衰退を歴史的に見ると1971年のニクソンショックから表面化しています。強大なパワーを有する国はその崩壊の前が1番怖いと言われています。アメリカの衰退をカバーするためのツケをどこかに回そうとして選ばれたのが日本とも言えるかもしれません。堤氏の懸念は安全保障問題、TPP(間太平洋パートナーシップ)問題などで現実化しています。

「敗戦の否認」を支えてきたのは冷戦構造とアジアでの日本の国力の突出性でした。この両方が既に失われてしまっていることを日本が受け入れていないため、米国が歴史修正主義に口を挟み、アジアの国々が反発を強めてきています。

日本の対米従属は、「トモダチ作戦」「思いやり予算」といった情緒的な言葉で日米関係が特別なものお互いの敬愛の情があるかのようにする意図を表しています。本来、国と国との関係は功利的なものなはずです。何十年も前に状況は変わっているのに「戦後レジームからの脱却」と言いながら安倍政権は現状を維持しようとしています。戦後の対米従属は国家の復興のためであったはずが、戦争責任に対してドイツとは異なり自己目的化しています。対米従属から離れて日本国が自立することを狙いとしていますが、敗戦に対する反省が見られないことに対して各国から非難されても、対米従属で全てを解決してきました。情勢が変化した今、アメリカは日本を庇う必要性はなくなっています。

現在のままでは、日本は真の独立国ではなく、戦争や経済崩壊という事態を招きかねません。そのためには、日本国民が自らの手で必要な改革を行い社会と政治を改革することです。米国が日本を最後まで救ってくれる保証はありません。戦後体制の脱却を安倍首相が言うのであればそれに見合う独自の態勢を作る必要があります。経済停滞に基づく、貧富の格差増大を抑え、下位の者に経済の恩恵が行き渡るようにすことが第一と思われます。安倍首相に対抗するリベラル勢力は、世の右傾化に対してNOと言っているだけでは勝てません。ささやかなニーズを拾い出してそれに耳を傾け実行する政党を後押ししなければなりません。英国のコービン、米国のサンダースもそうして支持を拡大させています。日本も遅れてはなりません。

元号の最後の年に願うのは、未来への展望をしっかりと構築し、緊縮ではなく、積極財政により、人的資本に投資をして人材育成を行い、富の再配分運用を行い、長期的に人々が豊かになる社会を創りだしていくことが戦後を克服し、真の再生日本になると思われますで。

 

 

 

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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