2017年11月25日

2017年11月 6日

2017年10月のブログ ー カズオ・イシグロの受賞に関連して

201710月のブログ ー カズオ・イシグロの受賞に関連して

今年度のノーベル文学賞は、カズオ・イシグロに決定しましたのでこれに関連して述べたいと思います。英国在住で日本を訪れる機会が多くないため、名前のみでその人となりを知る人は多くはないのでしょうか。カズオ・イシグロは、日系英国人であり、日本人の受賞と考えても良いかと思われますから極めて目出度いことです。

カズオ・イシグロは、長崎県長崎市で1954118日に生まれた62歳です。1960年に父の仕事の関係で英国に渡り、1983年英国に帰化し、英国人と結婚しています。

処女作は1982年、英国に在住する長崎の女性を描いた「遠い山なみの光」、続いて「浮世の画家」

1989年の第3作「日の名残り」「充たされざる者」「わたしたちが孤児だった頃」「わたしを離ないで」2015年「忘れられた巨人」で5年ごとに1作ということで多作ではないがどれも優れた作品と言われています。

1989年の第3作「日の名残り」は、英国貴族の老執事スティーブンスが語り手となって政界の名士に仕えた若い頃からの変遷を物語ります。スティーブンスが懐かしむ邸宅、幻覚とそれに対峙する現実の間に漂う闇があり、無理をしてその奧を覗いてしまえば正気を保てなくなるかもしれない、この幻想を突き破れば深淵に飲み込まれるしかないという独特の世界が広がっています。また、英国らしさがどれほど儚いものかに気づき晩年に人生を振り返り思い悩む「後悔」がひとつのテーマになっています。この作品がブッカー賞(英語圏で最高の文学賞のひとつ)を受賞し、これは英米合作で映画化され世界中に作品を広めました。「日の名残り」に関して「日の名残り」を愛読書に挙げている、米アマゾン・ドットコム創業者のジェフ・ベゾフCEO(最高経営責任者) の逸話があります。「80歳になった時にあの時やっておけばよかったと心から反省する可能性がある」として決心し,ウオール街のヘッジファンドでの高給職を投げ捨ててシアトルの郊外のガレージで書籍のネット販売を始めました。この小説が1990年代半ばに起業を考えていたベゾフの背中を後押ししました。成功を収め今では米国の時価総額の上位を占めています。

カズオ・イシグロの受賞理由は、「壮大な感情の力を持った小説を通し、世界と結びついているという、我々の幻想を的確に隠された深淵を暴いた」ということです。なかなか難しくて理解が及びませんがカズオ・イシグロ作品はこのようにして読めという示唆でもあります。

2008年には「「タイム」誌上で1945年以降の英文学で最も重要な50人の作家の一人に選ばれており、作品の特徴として、「違和感」「むなしさ」などの感情を抱く登場人物が過去を曖昧な記憶や思い込みを会話・回想する形で描き出されることで、人間の弱さや、互の認知の齟齬が読み進めるたびに浮かび上がるものが多いと述べられています。

このように世界文学の旗手として、世界40カ国伊集オデ翻訳され作家としての力量、人間性、独創性が認められています。彼の考えは全ての人間は死ぬ運命にありますが、死は全ての人に公平には訪れないとしています。そうであっても人は、自分の運命を受け入れる強さあるという考えを示しています。

私の呼んだ作品は、「日の名残り」「わたしたちが孤児だったころ」「忘れられた巨人」です。英語の学習を兼ねて英語で読みましたが、幼少期に英国に渡り、日本の文化の中に育ってないにも関わらず、日本と英国の古い世界を描けるものだと感心致しました。ノーベル賞の中でも経済学と文学はその受賞理由がよく分からないと言われていますが、偉大な業績であり、立派な作品だと言えます。

今年も期待された村上春樹のノーベル賞受賞はなりませんでしたので残念です。今年日系英国人が選ばれたことで彼の受賞がさらに先へ伸びるのではないかと懸念されます。しかし、人気抜群の氏のこときっと近いうちに賞をとってくれるものと期待します。

 

        201710月のブログ ー カズオ・イシグロの受賞に関連してこと

今年度のノーベル文学賞は、カズオ・イシグロに決定しましたのでこれに関連して述べたいと思います。英国在住で日本を訪れる機会が多くないため、名前のみでその人となりを知る人は多くはないのでしょうか。カズオ・イシグロは、日系英国人であり、日本人の受賞と考えても良いかと思われますから極めて目出度いことです。

カズオ・イシグロは、長崎県長崎市で1954118日に生まれた62歳です。1960年に父の仕事の関係で英国に渡り、1983年英国に帰化し、英国人と結婚しています。

処女作は1982年、英国に在住する長崎の女性を描いた「遠い山なみの光」、続いて「浮世の画家」

1989年の第3作「日の名残り」「充たされざる者」「わたしたちが孤児だった頃」「わたしを離ないで」2015年「忘れられた巨人」で5年ごとに1作ということで多作ではないがどれも優れた作品と言われています。

1989年の第3作「日の名残り」は、英国貴族の老執事スティーブンスが語り手となって政界の名士に仕えた若い頃からの変遷を物語ります。スティーブンスが懐かしむ邸宅、幻覚とそれに対峙する現実の間に漂う闇があり、無理をしてその奧を覗いてしまえば正気を保てなくなるかもしれない、この幻想を突き破れば深淵に飲み込まれるしかないという独特の世界が広がっています。また、英国らしさがどれほど儚いものかに気づき晩年に人生を振り返り思い悩む「後悔」がひとつのテーマになっています。この作品がブッカー賞(英語圏で最高の文学賞のひとつ)を受賞し、これは英米合作で映画化され世界中に作品を広めました。「日の名残り」に関して「日の名残り」を愛読書に挙げている、米アマゾン・ドットコム創業者のジェフ・ベゾフCEO(最高経営責任者) の逸話があります。「80歳になった時にあの時やっておけばよかったと心から反省する可能性がある」として決心し,ウオール街のヘッジファンドでの高給職を投げ捨ててシアトルの郊外のガレージで書籍のネット販売を始めました。この小説が1990年代半ばに起業を考えていたベゾフの背中を後押ししました。成功を収め今では米国の時価総額の上位を占めています。

カズオ・イシグロの受賞理由は、「壮大な感情の力を持った小説を通し、世界と結びついているという、我々の幻想を的確に隠された深淵を暴いた」ということです。なかなか難しくて理解が及びませんがカズオ・イシグロ作品はこのようにして読めという示唆でもあります。

2008年には「「タイム」誌上で1945年以降の英文学で最も重要な50人の作家の一人に選ばれており、作品の特徴として、「違和感」「むなしさ」などの感情を抱く登場人物が過去を曖昧な記憶や思い込みを会話・回想する形で描き出されることで、人間の弱さや、互の認知の齟齬が読み進めるたびに浮かび上がるものが多いと述べられています。

このように世界文学の旗手として、世界40カ国伊集オデ翻訳され作家としての力量、人間性、独創性が認められています。彼の考えは全ての人間は死ぬ運命にありますが、死は全ての人に公平には訪れないとしています。そうであっても人は、自分の運命を受け入れる強さあるという考えを示しています。

私の呼んだ作品は、「日の名残り」「わたしたちが孤児だったころ」「忘れられた巨人」です。英語の学習を兼ねて英語で読みましたが、幼少期に英国に渡り、日本の文化の中に育ってないにも関わらず、日本と英国の古い世界を描けるものだと感心致しました。ノーベル賞の中でも経済学と文学はその受賞理由がよく分からないと言われていますが、偉大な業績であり、立派な作品だと言えます。

今年も期待された村上春樹のノーベル賞受賞はなりませんでしたので残念です。今年日系英国人が選ばれたことで彼の受賞がさらに先へ伸びるのではないかと懸念されます。しかし、人気抜群の氏のこときっと近いうちに賞をとってくれるものと期待します。

 

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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