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2020年12月 3日

2020年11月のブログ ― 米大統領選挙の結果について

2020年11月のブログ ― 米大統領選挙の結果について
11月14日に実質的に漸く決着がついたように思われる米大統領選挙について取り上げます。
接戦が続いていた米大統領選挙ですが、バイデン元副大統領がトランプ大統領に勝利したとい
うことになりました。トランプはこの結果を認めず、あの手この手で選挙に不正があったと言
い立てていますが、その発言には確たる根拠がなく多くは法廷でも敗れ、その主張は認められ
いません。接戦の原因はトランプが健闘したことにあるといえます。多くの人が「エスタブリ
ッシュメント(一握りの特権階級)は自分たちに目を向けていない」という反発がトランプの
票へ向かいました。新型コロナウィルスの大流行がなければトランプが勝利したと言われてま
す。
正直、バイデンが勝利してほっとしています。バイデンが特にいいというわけではありませ
んが、トランプ以外ならだれでもよく、バイデンがタイミング的にトランプに勝つ候補として
適していたのでしょう。
 トランプとは一体何だったのでしょうか。米国第1主義、白人至上主義、キリスト教優先、
金持ち優先とマイナス部分を表に出してそれを売りにして政権を運営してきました。特に、犯
した罪は3つあります。
(1)大統領になる前に、トランプ一族が運営する「トランプオーガニゼーション」の各種の
不正容疑があります。
(2)科学を無視した政策、新型コロナウィルスは「奇跡のように消えるだろう」繰り返し、
適切な対策を行わず、その結果、感染者、死亡者の増大を招きました。また、気候変動
に対する対策も何もせず、議論にしないことが最大の対策としてきました。
(3)米国政治の構造的弱点を浮き彫りにした政権の行為。 人種対立、白人優先、金持ち優
遇、弱者無視等です。例えば、移民の親子を引き離す残忍な政策、取引の手段化した外
交政策等もありました。民主主義のルール違反です。
 これらの問題点はバイデンの下で徹底的に追及、解決されるべき問題でしょう。それなく
しては今後に禍根を残しかねません。トランプ政権下、米国は大きく変質しました、対立の構
造ともいえるものです。ある調査によれば「米国の中心的な価値について相手とは信じるもの
が根本的に違う」と答えた人の割合はトランプ、バイデン支持者の双方とも8割に上ると言わ
れていています。現在のところ、バイデンの政策はトランプとは正反対の方向をとると推測さ
れいますが、米国経済が回復し、政府に対する信頼関係が回復しなければ、バイデンがその政
策を遂行するのは困難といえます。
バイデンの勝利大きな懸念としては、今回、トランプが2016年の選挙より110万票多
く獲得したことです。困窮した地域ー失業率が高く、医療や保険が不十分で、人々が一番苦し
んでいる場所―の多くで投票率が上がったことです。これは労働者階級の一部でトランプを労
働者階級の味方だと思っているからです。それは、何百万人の米国人が恐れと不安の中で暮ら
し、不当な貿易協定のせいで職を失い、47年前より収入が少ないこの時に、その支持者から
トランプは自分たちのために戦うタフガイで「ファイター」と思われてきたためです。
バイデン次期大統領に望まれるのは何でしょうか。遠い国からの希望にしかすぎませんが
G20等で主導国無き「Gゼロ」の時代でも相対的にナンバーワンに変わりない米国への期待は多
くあり、人権と民主主義の尊重です。
1. 外交面では、トランプ流の取引外交ではなく、米国第1主義でもなく、世界のバランス
を考慮した対話による協調路線の推進を願いたい。例えば、貿易戦争の回避です。中国
との対決ではなく対話を望んでおります。
2. コロナ対策では、効果的なコロナ対策の推進とワクチンの開発とその接種により終息を
図ってもらいたい。
3. 米国の分断の回復
4. 気候変動への対策
5. 各種国際機関への復帰
バイデン氏は、カーター大統領以来、最も弱い大統領として就任し、高齢で多くは望めないか
と思われますがトランプより悪くならないという希望をもって新年を迎えたいと思います。

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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