2020年12月30日

2020年12月のブログ ― 1年間翻弄された新型コロナウィルスの総括

        2020年12月のブログ ― 1年間翻弄された新型コロナウィルスの総括
今年は新型コロナに翻弄された1年でした。その内に落ち着くかとの期待もむなしく、年末には感染者数を
更新し、世界で8,000万人、日本国内でも21万人を超え新年にも猛威を持ち越しそうな状況です。また
、年末に英国、南ア等で新型コロナの変異種が見つかり、日本でも感染者が見つかっていて悪化に歯止めがか
かっていません。日本での小康は来年2月に接種予定のワクチン待ちというということでしょうか。暗く落ち
込みがちですが重要なことは、パンデミックによって自宅に閉じ込められていても精神的に閉じ込め
められることがあってはならないということ、希望持つことが何より重要でしょう。
新型コロナ禍の原因は人間にあり、開発が進み、人間が住む世界が野生動物の世界に接近し、両者の緩
衝地帯が著しく小さくなったこと、また、人間の移動が頻繁になり、ウィルス感染の速度が著しく増している
ことです。対策をしても中途半端な措置では流行悪化させるだけであり、国家規模、世界規模の危機
には国全体、世界全体の協力が必要であることが明確化しました。1国で抑え込み出来たとしても
、海外との往来が活発化すれば長い間ロックダウンしては解除することの繰り返しになる恐れがあ
るからです
感染の抑制には、次の4つの条件が必要と言われています。政府の指導力、ガバナンス(統治
)、社会の連帯及び医療戦略です。今回は日本も含め大半の国が最初の3項目で失敗しました。コ
ロナ禍で種々の問題点―人間の脆弱さ、劣化ぶり等を炙り出しました。明るみに出された問題点と今
後の対策を取り上げます。
問題点: 
1. コロナ対策の遅れです。、もう2週間対策が早ければ拡大、再発が防げたといということ繰り返される対
応の不味さは政治の責任です。
2. 結果として「政治に対する信頼」と市民相互の信頼」」が失われてしまいました。
3. 自粛要請、ロックダウン等で規制しても感染者数が落ち着くと早急に経済対策のため経済活動
と人の移動を再開し、第2、3波の発生を招いていることは、国民が我慢しきれなくなったこ
ともあります。ウィルスとの戦争を戦っているのですから、全ての人が周囲の他人のために日
常の不便をいくらか我慢する必要があるのにできないからです。
4. 世界の多くの国が中国の独裁型の対応に追随したことで生活を圧迫してその反発を招いたこと
5. パンデミックが終われば危機以前の世界に戻れると楽観していることはないものねだりといえ
ます。
6. 多くの国の政治家が国民の健康を財産として考えるのではなく、負担であると考えて行動して
きたこと。
7. ネット万能主義に支配され、仕事はテレワーク、教育はオンライン、友達づきあいはSNS、
買い物も食事も宅配でいい、つまり身体的触れ合いがなくても問題がないと認められてしまっ
たこと。
8.移動の自由も、集会の自由も放棄し、家の中に閉じこもるようになり、「身体接触」及び「親
密さ」のタブー化が監視の強化につながったこと。
9.自粛警察なるものが跋扈していること。感染回避は単なる「予防」であるのにそれを超えた「
正義」と錯覚している態度は、市民の相互信頼がないことを示し、日本人の品性の悪さ、明治
の廃仏毀釈以来のお上への諂い根性が表面化したこと。
10.江戸時代まで続いた村落共同体の破壊に伴い相互協力、助け合いがなくなってしまっている
ことが明確化したこと。共同体なくしては個人は孤立するばかりで、コミュニティの回復の必
要性という難しい状況となっていること。
11.自治体でも首長を先頭に自らの地域を自らで守ろうとするのと既得権益保持と自己保身のために成り
行き任せの自治体との2極化がみられたこと。
12.西洋社会では、政府が無態であり、新自由主義やグローバリズムが不条理であることが明ら
かとななったこと。
残された課題:
・監視社会に陥らずに適切な情報の共有化を図ること、そのため監視に導かず、単純化した判断を
起こさせないような高度なテクノロジーの実現化です。
・日本の実情は、目を覆いたくなるものですが、外から見れば新型コロナを全体的に抑え込んでおり、
政治的にも安定しているとみられていますからこれらの実質化が必要です。
・コロナ禍の出口が見えたら、大規模な貧困という禍が待ち受けています。国の財政は緊急の救済

策で疲弊しているかもしれませんが、経済の再建と失業、貧困化した家庭の救済策を最優先する
ことです。
・東日本大震災でも変わらなかった政治、劣化した政治を今度こそ変えない限り未来は開けません
、日本の政治、日本国民の真価が問われている。同じ苦しみを繰り返さないためにも改革の推進
です。
・産業構造の改革も必要です。既得権益層が改革を阻んでいて格差を助長していますが、これは善
や正しさよりも損得感情を優先するからでしょう。この改革なくしては復興、経済成長は期待で
きません。
・新型コロナに対する抗ウィルス薬の早期開発です。決定的な治療法は抗ウィルス薬の開発以外に
ない。特効薬がないからこそ政府の指導力、ガバナンス、社会の連帯が手必要です。政治指導者
にはコロナ禍で失われる人命に対して全責任を荷ってもらいたいもものです。
・若い世代の保守化是正です。本来、革新的であるべき若年層が現状に満足して現政権を支持して
いますが、これは「正しさよりも損得勘定を重視する姿勢からでしょう。将来不安の根源を見ず
に見たいものだけ見て安心したがるからでしょう。
・3つの「密」を回復し、対話と関係と物語をつまり人間と社会を修復することが必要で「朋あり
遠方より来る、また楽しからずや」という連帯感の復活、構築が必要です。
・重要なことは、全ての国が新型コロナの脅威から解放されるまでは、どの国も安全ではないから
ここのグローバルな問題であるパンデミックをグローバルな解決を図るため全世界の協力が必要
でです。
今回の災禍でせめてもの救いは、世界の人々が世界史上初めてどの国も独力では克服できない共通
の脅威に直面していることを認めざるを得なくなり、その教訓を学べたことです。気候変動、資源
枯渇、格差と闘うために団結する機運が高まる可能性があります。そうすば新型コロナは最終的に
世界の人々を持続可能な世界へ導き、悲劇と同時に救いをもたらすことが可能となります。
来年はは新型コロナの混乱から立ち直る希望が持てる年になることを望みたい.ワクチンの接種は経済復
活の時期を早めてくれるでしょう。新型コロナというパンドラの箱を開けて最後に残ったのが希望です。来年
は希望が必要実現化するよことを望みたいものです。

2020年12月 3日

2020年11月のブログ ― 米大統領選挙の結果について

2020年11月のブログ ― 米大統領選挙の結果について
11月14日に実質的に漸く決着がついたように思われる米大統領選挙について取り上げます。
接戦が続いていた米大統領選挙ですが、バイデン元副大統領がトランプ大統領に勝利したとい
うことになりました。トランプはこの結果を認めず、あの手この手で選挙に不正があったと言
い立てていますが、その発言には確たる根拠がなく多くは法廷でも敗れ、その主張は認められ
いません。接戦の原因はトランプが健闘したことにあるといえます。多くの人が「エスタブリ
ッシュメント(一握りの特権階級)は自分たちに目を向けていない」という反発がトランプの
票へ向かいました。新型コロナウィルスの大流行がなければトランプが勝利したと言われてま
す。
正直、バイデンが勝利してほっとしています。バイデンが特にいいというわけではありませ
んが、トランプ以外ならだれでもよく、バイデンがタイミング的にトランプに勝つ候補として
適していたのでしょう。
 トランプとは一体何だったのでしょうか。米国第1主義、白人至上主義、キリスト教優先、
金持ち優先とマイナス部分を表に出してそれを売りにして政権を運営してきました。特に、犯
した罪は3つあります。
(1)大統領になる前に、トランプ一族が運営する「トランプオーガニゼーション」の各種の
不正容疑があります。
(2)科学を無視した政策、新型コロナウィルスは「奇跡のように消えるだろう」繰り返し、
適切な対策を行わず、その結果、感染者、死亡者の増大を招きました。また、気候変動
に対する対策も何もせず、議論にしないことが最大の対策としてきました。
(3)米国政治の構造的弱点を浮き彫りにした政権の行為。 人種対立、白人優先、金持ち優
遇、弱者無視等です。例えば、移民の親子を引き離す残忍な政策、取引の手段化した外
交政策等もありました。民主主義のルール違反です。
 これらの問題点はバイデンの下で徹底的に追及、解決されるべき問題でしょう。それなく
しては今後に禍根を残しかねません。トランプ政権下、米国は大きく変質しました、対立の構
造ともいえるものです。ある調査によれば「米国の中心的な価値について相手とは信じるもの
が根本的に違う」と答えた人の割合はトランプ、バイデン支持者の双方とも8割に上ると言わ
れていています。現在のところ、バイデンの政策はトランプとは正反対の方向をとると推測さ
れいますが、米国経済が回復し、政府に対する信頼関係が回復しなければ、バイデンがその政
策を遂行するのは困難といえます。
バイデンの勝利大きな懸念としては、今回、トランプが2016年の選挙より110万票多
く獲得したことです。困窮した地域ー失業率が高く、医療や保険が不十分で、人々が一番苦し
んでいる場所―の多くで投票率が上がったことです。これは労働者階級の一部でトランプを労
働者階級の味方だと思っているからです。それは、何百万人の米国人が恐れと不安の中で暮ら
し、不当な貿易協定のせいで職を失い、47年前より収入が少ないこの時に、その支持者から
トランプは自分たちのために戦うタフガイで「ファイター」と思われてきたためです。
バイデン次期大統領に望まれるのは何でしょうか。遠い国からの希望にしかすぎませんが
G20等で主導国無き「Gゼロ」の時代でも相対的にナンバーワンに変わりない米国への期待は多
くあり、人権と民主主義の尊重です。
1. 外交面では、トランプ流の取引外交ではなく、米国第1主義でもなく、世界のバランス
を考慮した対話による協調路線の推進を願いたい。例えば、貿易戦争の回避です。中国
との対決ではなく対話を望んでおります。
2. コロナ対策では、効果的なコロナ対策の推進とワクチンの開発とその接種により終息を
図ってもらいたい。
3. 米国の分断の回復
4. 気候変動への対策
5. 各種国際機関への復帰
バイデン氏は、カーター大統領以来、最も弱い大統領として就任し、高齢で多くは望めないか
と思われますがトランプより悪くならないという希望をもって新年を迎えたいと思います。

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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