2021年3月31日

2021年3月のブログ ― コロナ禍と対応

2021年3月のブログ ― コロナ禍と対応
今月もコロナ禍と対策を取り上げます。いい加減にコロナ禍の話題はよしてくれと言いたいのですが
コロナの方で放してくれません、そこで止むなく最大の課題として取り上げることにしました。
3月21日に緊急事態宣言が解除され、花見、卒業旅行、謝恩会、歓送迎会と重なり、
人手の増加が懸念されていましたが、解除後、各地で人出の急速な増加がみられました
。この結果、新規感染者数の急増を招き、第4波がの到来が懸念されています。期待さ
れているワクチンも、効果は未だ発揮されていません。
3月18日菅首相は宣言解除の会見を行い5つの方針、1. 飲食の感染対策 2. 変異
株対策の強化 3. モニタリング検査など感染防止対策の強化 4. ワクチン接種の着実
な推進 5. 医療提供体制の充実 を示しました。どれも具体性に欠けると言わざるを得
ません。PCR検査の拡充、変異株の監視体制の強化にしても調べた後どうするかが明確で
はありません。緊急事態宣言解除後の頼りなさを感じるばかりです。過去の第3波の例
から見れば7月の5輪開催時にピークになる可能性が高く、緊急事態宣言下の大会になる
可能性もあります。
PCR検査、ワクチン接種接種、いずれも世界から「周回遅れ」の日本ですが、国民のコ
ロナ疲れが最大となる中で、五輪の開催という1大イベントが控えています。海外から
の観客は無しということが決まり、多少人の流れは少なくなるようですが、国内の観客
数もばかになりません。しかし、五輪は政治家、関係者の巨大利権のため実施しなけれ
ばならないのが既成事実です。投入した費用、国の威信にかけて進まざるを得ないよう
です。
世界でもコロナ感染の第4波の高まっていて、中南米では大統領のコロナ軽視により
医療崩壊が懸念されているブラジルを始め25日には新規感染者数が過去最高を更新し
ました。欧州でも新規感染者数が1月中旬以来の高水準になりました。各国でワククチ
ン接種が進む中、変異ウィルスの広がりもあり収束の見通しがたっていません。このま
ま、各国で再びびロックダウン(都市封鎖)の動きが強まれば世界経済への更なる影響
が懸念されます。世界中でコロナが収まらなければ日本ででも収まったと言えず、世界
の動向にも目を離せません。
コロナ禍の現状について『ホモサピエンス全史』『ホモ・デウス』で全世界的ベストセラーのイ
スラエルの哲学者ユヴァル・ノア・ハラリによれば、コロナによる混乱の原因は2種類の誤った2者
択一の問題設定にあるといっています。
1. 「プライバシーか健康か」という問題設定
これに対してプライバシーを犠牲にせず、"全体主義的監視体制をとらなくても国民の権利を拡大
するすることによって自らの健康は守れる"と言っています。
2. 「グローバリズムかナショナリズムか」という問題設定
これに対して"グロ-バルな団結が人類地地球環境の繁栄に不可欠であり、脱グローバル化は自殺
行為に等しい"と言っています。
これら2つの誤った問題設定を解消するには"信頼が必要であり、監視テクノロジーを活かすにはテク
ノロジーを使う機関や政権を国民が信頼できなければならない。また、科学への信頼も重視し、いい加
減な言説や虚偽情報に惑わされず、科学的・合理的な見方ができれば、今回の危機も脱出可能だ"との
ことです。大いに参考すべき点があると思われます。コロナに対して総合的なコメントをしているのは
他にドイツのガブリエル・マルクスがいます。ドイツのスーパーロックスターといわれる人気の哲学者
で『世界は存在しない』『私は脳ではない』とで知られる新実存主義を唱えています。こんな状況に積
極的にトータルな発言できるのは若手の哲学者であるというのもその昔のギリシャ哲学者を思い出させ
てくれて興味深く思われ、精いっぱい読み込もうと努力しています。

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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