2022年5月31日

2022年5月のブログー ロシアのウクライナ侵攻の現状と原因

月、新型コロナウィルスはゴールデンウィークの人出増加による拡大懸念念を乗り越えて減少傾向を保ち、マスク着用の緩和、海外旅行者の受け入れ制限緩和、プロ野球の観客数制限緩和と明るいニュースにほっとさせられます。ワクチンの4回目の接種も始まりました。小康状態に油断せず用心して対策をすることは自己責任と言えます。

 ウクライナ情勢はロシアが侵略を開始してから3か月が経ちました、ウクライナ側の健闘にもかかわらず戦況は膠着状態です。その間、悲惨さは増大しています。諸悪の根源はプーチン大統領をはじめとするロシア側にあります。今月はウクライナの現状とロシア及びロシアの民族性について取り上げたいと思います。

戦火を逃れる人の状況はウクライナ当事者の目によれば「一番恐ろしかったのは国境を超える人混みだった。一人、二人、10人であれば合理理的に行動できる。でも、何千人もが押し合いへし合いしながら、誰もがいちはやく出国したいと互いを騙しあうのは恐ろしいことだった。これこそまさに、ある小さな出来事がきっかけで、みんなが非合理的に振舞いはじめ、致命的な事態を作り出してしまう状況である。生きて出国できるかどうか わからない時間を過ごしてきた」また、ウクライナでは日常的なネタがあり、避難した親が子供に「あれは持っているの?」と聞くと子供は「うん、持っているよ、キエフでね」と答えるというもので、なんとも痛ましい話です。

今回の侵略でプーチンはウクライナを同じ民族として併合しようとし、ウクライナも歓迎すると信じていましたが、現実は思いと逆になりました。ゼレンスキー大統領は今回の戦争はプーチンの意思に反してウクライナを非ロシア化する最大の効果を発揮したと述べています。ウクライナが独立に固執するのは、ウクラナのエリートはいったん独立国の統治者になったのに、ロシアに併合されれば片田舎の知事か何かになってしまう恐れを抱いているという事情もあります。これがいくらロシアと親近関係があったとしても独立を決して手放さない理由の一つだと言われています。ウクライナは1930-1933年に300万から400万人の死者を生んだ大飢饉を、ウクライナ民族を標的にした民族大虐殺「ホロモードル(人為的大飢饉)」と捉えています。この時代の政治家は、当初、国民全体の支持を得ていたわけでありませんでしたが、2014年のロシアによるクリミア併合を経て、ホロモードルは完全にウクライナのナショナルアイデンティティになっています。

 プーチンのような人間を権力に就かせ、国家を戦争に駆り立て、隣人を虐殺するのが正しいとする、理解しがたいロシア、ロシアの民族性の背景を見てみたいと思います。ロシア帝国のイワン雷帝から現在のプーチンに至るまで全く揺らいでいないのが強いリーダーを求めるロシア国民であり、アングロサクソンの作り上げた民主主義の制度とは相いれないものであるということです。ロシアの人々は基本的に政治、世俗的な権力に無関心で、むしろ神と天地に忠実なのです。ゼロか1かの2進法が彼らの歴史のリズムです。ロシア人の魂の核心に潜む正体はマゾヒズムとも言われています。受動性、極端に言えば苦痛への愛です。彼らの運命論は過酷な自然と長い不幸な歴史によって培われた世界論であります。強い神、強い支配者を半ばマゾヒスティックに待ち望んできたと言えます。それが必然的に、個人の自立を遅らせたと考えらます。プーチンの暴走を許したのは、国民の責任ですが根本はプーチンのおごりと、ヒロイズムと過ぎたる使命感にあるとされ、ロシア人の受動的なメンタリティがそれに利用されたと言えます。ロシアはソ連崩壊後、意図に反して、グローバリズムに完全に乗り遅れ、資源大国から一歩も先に踏み出せない焦りが、精神共同体の夢の強化に拍車をかけたといえるでしょう。

長引く戦争は犠牲者を増やすだけです、使用する兵器もエスカレ-トしています、これは兵器産業を利するのみで何の役にも立ちません、理性的人間の観点に立ち、一刻も早く停戦合意に至ってほしいと願っています。

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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