2022年10月31日

2022年10月のブログー今月の出来事

2022年10月のブログー今月の出来事

今月の出来事で特に印象に残った2件について述べたいと思います。
英国の政治
 英国の議会はテレビで見ていると議員が丸く並んでいて発言者の台が近く討論の姿勢が剥き出しでその様子がよく見えて,発言の度に賛否の相の声が入りその喜怒の表情が良く見えて興味深いものです。英国の政治はボリス・ジョンソン首相が相次ぐ不祥事で党内の反を招き辞任に追い込まれました。トラス首相が選ばれましたがわずか2か月足らずで辞任しました。財政政策の失敗により海外の市場でポンドが下落し、国内でも物価高のインフレの影響で国民の反感を買いその支持率は17%に下落し、辞任のやむなきに至りました、49日間という史上最短の任期という不名誉な記録となりました。これはなにをやりたいかという政策よりも首
相になりという思いだけであった結果なのでしょう。そこで党内の首相選抜の結果、リシ・スナク氏が
42歳の若さで首相に選ばれました。スナク氏はインド系であり名門大学出身、ゴールドマンサックス勤務、夫人は インド1の富豪の娘という煌めくような経歴の持ち主でエリート中のエリートです。感心するのは、かっての植民地出身の人をトップに選ぶという姿勢です。米国でオバマ大統領が選ばれるときに抵抗があったようですが、今回はそれ以上の抵抗があってしかるべきかと思われましたがすんなりと決まりました。これが我が国だったらどうか、間違っても外国出身者がトップに選ばれることは今の情勢ではないでしょう。英国の伝統の持つ実質を重んじるという懐の深さというものを感じさせられました。スナク氏は若くて背も高く、身なりもピシッとしています、前々任者のボリス・ジョンソン氏の風采とは対照的です、ボリス・ジョンソン氏はエリートでありながら、わざとラフな服装、態度をとっていてポピュリストと言われています。威張った態度のエリートの中でそのような姿勢を貫けるのはよほど自分に自信があるせいなのでしょう、私にはその態度が憎めないものがあり好きでありました。国民には人気がるからいずれカムバックするのではないでしょうか。
スナク首相には苦境にあえぐ英国をその若さと頭脳で救ってもらいたいものです。
中国の共産党大会
 注目の5年に1度の共産党大会が開催され、習近平総書記が異例の3期目に就任しました。これは自ら2期定年の党規約があるのに権力を基に強行したものであり、暴挙と言えます。当初、それほどの業績もなく妥協の産物として選ばれ、就任期間特に業績を上げたと言えるものがありません。その為焦って台湾併合に向けて侵攻するのではないかと懸念されています。
 元々、中国のような広大な多民族国家は独裁体制でなければ治めることができないと言われてきましたが習近平体制はこれを如実に実行してきたと言えます。この大会で衝撃的であったのは、テレビの画像で見る前総書記の胡錦濤氏が党大会の壇上から係りの者に腕を取られて退場させられる姿でした。新人事が発表されましたがすべて自らに忠誠を誓う人物ばかりで有能でも他の派閥に属すると言われる人は上位に選ばれませんでした。これも異例のことです。従来は派閥としては党のエリート集団の共産党青年団、エリートの子弟の太子党、地方ごとの同族集団出身及び軍内の派閥バランスも考慮して選ばれてきました。
今回もこれを踏襲するものと思われてきましたが習近平総書記は自らへの忠誠度で役職を分配し、習近平総書記の独裁体制の完成です。
 私の学生時代、中国は反殖民族主義、民族解放を掲げる社会主義として資本主義に対抗する希望の星でした。中国革命の闘争記録は毛沢東主席の権威主義はさておきも、軍隊の農民に対する心配りなど心を沸かせるものでした。老年、壮年、青年を一体とする3結合という言葉も目新しいものでした。習近平総書記の姿勢は米中対抗を露わにし、台湾開放等覇権主義的姿勢でロシアに劣らず危険な姿勢を示しています。米中戦争、台湾開放となれば日本も当然その標的になります、習近平総書記の態勢が続く限り日本は対抗の為万全の姿勢を維持する必要があると痛感させられています。

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


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