2023年11月29日

2023年11月のブログ ー イスラエルとハマスの人質交換

2023年11月のブログ ー イスラエルとハマスの人質交換
 今月は戦闘が継続中である、イスラエルとハマス間で実施されつつある人質交換について取り上げます。イスラエル軍がハマスの拠点であるガザ地区を封鎖し、壊滅的空爆を実施して無関係である住民の死者・負傷者数が増加しつつあり、ガザ地区の食糧、水、医薬品、燃料等も枯渇しきって人道的危機にある中で世界中からイスラエルの虐殺的蛮行に対して激しい非難が起こっています。責任ある当事者米国、英国も目立った救済策を行ってきませんでしたが、カタ-ルの斡旋により漸く一部の人質交換が合意・実施されました。これが今回の戦闘の中での唯一の救いと言え
るでしょう。
 合意した期間中は、双方が停戦してハマス側は今回、捕らえたイスラエルの人質を解放する、イスラエルは刑務所に捉えていたハマスの人間を解放する、その間ガザ地区に人道上必要な各種物資を搬入するというものです。それ自体、遅くなったが結構な処置で今後も継続してもらいたいものです。この人質の交換について種々考えさせられることがありますので述べてみたいと思います。
・人質交換の背景
 ハマス側は、食料・医薬品、水等生存に必要な物資の必要性から、人質を交換して戦闘の休止、  
  物資の搬入を望み休戦に応じたのでしょう。
 イスラエル側は、本来ハマス殲滅まで戦闘を続けたかったのでしょうし、人質に犠牲はやむを得ない  と思っていたのかもしれませんが、人質の家族からの釈放要望が強いこと及び世界の各地からイスラエルの空爆による人的被害の増大に対する抗議の声に少しは妥協せざるを得なくなったこと、および米国のアイデン大統領ももこの段階になって大統領選を控えて、イスラエル寄り一本の姿を改めて休戦に 対応施せざるを得なくなったのでしょう。
人質の引き渡しの形態
 どういう形で引き渡されるのでしょうか、イスラエル側で刑務所に収容されていた人に関しては刑       所粗から出て来るのは分かります。
ハマス側の人質はどういう風にして赤十字に渡すのでしょうか。地下から、表の隠れ家からでしょうか、イスラエル側、が監視しているし、衛星も回っていて位置情報が分かればイスラエル軍は直ちに攻撃し、奪還にに向かうはずですからハマスがどのように隠していた人質を出すのでしょうか、停戦戦期間中はイスラエル側が空から監視しないと取り決めたという説もありますがどうなのでしょう。
・開放された人質のケア
 釈放された人質の今後のケアが重要だと思われます。肉体面では時間の経過とともに回復が期     待 できるでしょうが、精神面のケアが大変かと思われます。異常な体験はトラウマとなって残り続けるでしょうから、これをいかに回復させるか長い時間をかけて行う必要があるでしょう。特に子供にとってはダメージが大きいでしょう。親が殺された子供などは特に大変で、復讐の憎悪が続けば新たな、対立紛争の火種を生むことになりかねません。
米国のイスラエル寄りの姿勢
 今回、バイデン大統領は最初からイスラエル寄りの姿勢でその支持を表明、武器も提供してきました。何故、米国はイスラエルをこれほど支持するのでしょうか。
―米国にはユダヤ人が本国より多い。米国に住むユダヤ人は730万人でイスラエルに住むユダヤ人の718万人より多く、米国の成人にユダヤ人の占める比率は2.4%です。
―人口の割にその影響力が強いのは政界でのユダヤ人の力が多いからです。下院議員では435人 中28人、上院では100人中10人。またバイデン政権内にユダヤ人が多い。ブリンケン国務長官、コーエンCI副長官、ヘインズ国家情報長官イエレン財務長官等です。
―ユダヤ系のロビーの影響力が強い、最大のロビー集団では400万人以上の会員を擁しているしある委員会は全米ライフル協会に匹敵する資金力を持ち、親イスラエルには政治献金し、反イスラエル候補は攻撃しています。
―メディアも親イスラエル傾向が強い。
現在、3度目の人質解放が合意されていますがすべての人質の早期解放を願いたいし、更には停戦ではなく休戦と共に恒久的な解決策を見出してもらいたいものです。

森島 中小企業 ISO支援オフィス


コンサルタント 森島高明


〒194-0045
東京都町田市南成瀬1-2-1 成瀬駅前ハイツ2-1005号
TEL: 042-723-1478    FAX: 042-723-1478