2026年6月28日
2026年6月のブログーイラン制裁のもたらしたもの
今月は、早期の終結が見込めなない、米国の対イラン戦争で顕著に露わになった事象について各国毎にみていきたいと思います。この戦争はトランプの思い込みに端を発しています。ベネズエラの制裁処置としてベネズエラ大統領を拘束できたのに味を占め、対イラン制裁としてイラン側の最高指導者及びトップの多くのメンバーを殺害しました。予想に反して体制の転覆、情勢の混乱は生じませんでした。イランはホメイニ師の革命後、革命防衛隊等を中心とした強力な権力機構を構築し、維持してきましたので、容易に崩壊しませんでした。また、反体制派も理不尽な米国の行動には反発しています。
・米国は、今のところ戦争による死者数は3人ですが、ガソリン価格の高騰により国民の生活で大きな負担を強いられています。これが当然、政治に跳ね返り、トランプの政策に対する反対共和党への不支持になり、秋に迎える中間選挙の敗北という結果を招きかねません。それを避けるために、トランプはなりふり構わず、イランと交渉を進めようとしています。対イラン戦争を終わらせ、ホルムズ海峡をタンカーが通行できるようになり、石油価格が継続して安価になることが最大の選択肢であると思われます。次期米大統領の座を巡ってバンス副大統領とルビオ国務長官との主導権争いが鮮明化しています。バンス氏は昨年の就任前、海外での戦争を人命と資金の浪費だと頻繁に批判していました。一方、ルビオ氏は上院でタカ派として名を馳せ、イラン、ロシア、キューバに対してより対決的な姿勢を推し進めてきました。当然、この威力争いはイランへの圧力にマイナスの結果をもたらしています。
・イスラエルは、自国の安全のためイランの核施設の廃棄、およびイランの軍事力を弱体化を狙っており、トランプの言動にも拘わらず、レバノンでイスラエルの民兵組織ヒズボラに全面的攻撃をしかけています。結果として、欧米等を始めてとして、反ユダヤ主義の運動の高揚を招いています。・日本は、石油および石油関連製品の価格上昇で食料品始め、各種製品の値上げラッシュが続いていて、生活水準の低下を招いています。親トランプの高市首相は、ホルムズ海峡の機雷除去のため軍の派遣を要請されています。憲法に触れる問題となり、高市首相はどう判断するのか、トランプ第1の姿勢はそろそろ辞めるべきでしょう。
・ウクライナは、米国がイラン戦争のため、軍備の支援、供給が滞っているため、やむをえず、自国での武器の生産及びドローン使用による戦闘態勢へと戦術を大幅に変更しました。今のところ、功を奏して、ロシア軍の攻撃を押留める及び反攻することができるようなりました。特に、ドローンを使用した戦闘態勢の編成は画期的なもので、今後、戦闘における各国のモデルとなりうるものでしょう。これはNATOにとっても大きな財産となりえます。
・イランは米軍の度重なる爆撃で人命を含め、大きな損害を被っています。さらに、サッカーのワールドカップ戦でも大きな差別を受けています。宿泊の場所、練習時間等でハンディキャップを負わされています。これも米国の指示によるようです。スポーツに国境はないと言うのは綺麗ごとにすぎないと言うことを示しています。また、今回の紛争を通じて、イランはホルムズ海峡の重要性を再認識し、通行料またはサービス料として徴収することのメリットを知ることになりました。この戦争がイランにもたらした極めて大きな経済効果であり、イランは今後この権益を死守することになるでしょう。
これらの愚かな事態が早期になくなり、平和で落ち着いた状態が回復するよう願いたいものです。



